/ 53ページ
この章 1/2ページ
お父ちゃんの登場

うちのお父ちゃんは大好きなお酒を呑んだ後はいつも、手を合わせてぶつぶつ言っています

何かに向かってぶつぶつ言っているようですが、お父ちゃんの前には壁しかありません

でもお父ちゃんは毎晩真剣にぶつぶつ言っています

晩だけではなくて出勤前の少ない時間にも真剣にぶつぶつ言っています










うちはお父ちゃんが何を言っているのか知りたくなって、お父ちゃんが休みの日に訊きました

「お父ちゃんはいつも、何に向かってぶつぶつ言っているの?」

お父ちゃんは照れた表情をしましたが何も答えてくれませんでした

わき目もふらずに、ぶつぶつ言っています

うちはお父ちゃんが何を言っているのか分りませんでした

でもお父ちゃんは何かに感謝しているのは確かでした

うちが物心がついた頃にはお父ちゃんは毎朝・毎晩ぶつぶつ言っていました

お父ちゃんは真剣な表情をしていたのでその頃は不思議で不思議で仕方がありませんでした

うちはお父ちゃんが何か宗教を信じているのだと思うようにしました

でも家には宗教関係の本は何もありませんでした

お父ちゃんは一体何をぶつぶつ言っているのでしょうか?

娘のうちにも言いたくないみたいです

でも本当は照れ屋のお父ちゃんだから話すのが恥ずかしいのかもしれません

でもある日、お父ちゃんが昔話をしてくれました

それでお父ちゃんが何をぶつぶつ言っているのか分りました

その話は不思議なことがあった話でした

そしてお父ちゃんにとって心が痛む話で娘のうちにとっても心が痛む話でした

でもその日のお父ちゃんは包み隠さずに昔の話をしてくれました

お父ちゃんは努めて冷静に話していましたが、時々は感情が込み上げてきて言葉に詰まることがありました

でも最後までキチンと話をしてくれました

うちも最後まで真剣に聞きました

/ 53ページ
この章 2/2ページ

みんなが送ったスター数

4

この作品にスターを送ろう!

明日のスターも待ってます!
(1作品につき1日1回 押せます)

注目作品