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だが、男女の関係になるまでは早かったが、そこからの進展は娘たちの存在が枷となり再婚はもちろん同棲すら踏み切ることができない始末。
“娘たちももう高校生くらいなんだろ? いきなり俺みたいな見ず知らずのおっさんが母親と一緒になったら絶対良い顔はしない。気を遣わせるのは可哀そうだ”
一度一緒に暮らすことを提案したときにはそう言われてしまい仕方なく引き下がりはしたものの、納得のいかない気持ちの方が圧倒的に強く里子はまた儀式を利用することを決めた。
夫のとき同様、適当に生贄を用意し娘二人がこの世から消えることを願い穴へと落とし、成り行きを見守った。
それから暫くし、長女が自殺。
あの子の身にどんなことがあって死を選択するまでに追い詰められたのかは知らないが、その要因を裏で引き起こしてくれたのは山神様のお力だろう。
そして、その一月ほど後には無事次女もいなくなった。
「…………」
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