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光のソナタ

小説 恋愛 純愛

光のソナタ

光のソナタ

プジー

ピアノ弾きの優作は、ただピアノを弾いていたいだけなのに、それがこんなにも難しい

休載中

2ページ

更新:2013/02/01

説明

 優作は高校に上がると、家が教会である事は一切他言せず、普通の大人しい少年を演じた。演じたつもりが地になり、静かな男に育った。極めて平均的を好んだ。
 教会は、木を拝む場所である。このお話の世界では、木は神聖なものだ。といっても、宗教と呼べる代物ではない。なぜなら木は神の象徴ではないからだ。木は、神の象徴でなく人々の心の象徴なのである。枝分かれした先に付いている一枚一枚の葉は人間一人一人の心を象徴している。それが互いに影響し合い、枝にくっつき、その枝が幹にくっつき、心は一つに繋がってゆく。その形をうまく木が表現している,と言う事で木は拝まれる対象になっている。つまり、木を拝む事で、まわりの人々の心を大切にしましょう、と言う事を教えているらしい。教会はドーム型で、天井はガラス張りになっている。中の木が光合成するためだ。
 その教会にはピアノがあった。ただ、普通のピアノではない。黒く塗られておらず、ニスも塗られていない無垢の木で作られたピアノである。中の弦が錆びているのか、少し音が割れている。もともとその様な音だったのか、長い年月を経てそうなったのかは分らない。優作は物心ついた頃からそのピアノを暇な時に弾いていた。お陰で随分巧くなった。


 楓と優作は同じ高校である。優作は学校を休みがちな大人しい生徒で、楓は活発でクラス委員だった。ある日、職員室にクラス委員の楓ともう一人の男子が呼び出された。ジャージ姿の担任が二人に言う。
「お前らさ、ちょっとずっと休んでる佐渡切に宿題渡しに行ってよ。クラス委員なんだから」
「はい・・」
二人は声を揃える。職員室から出ると、クラス委員の男子が楓に言う。
「あのさ、春野さん何部?」
「帰宅部だよ」
「オレさ、サッカー部じゃん。今日土曜じゃん。ちょっと午後ずっと練習あってさ」
「うん」
「持ってってくんないかな」
「えー」
「お願い!」
男の子のクラス委員は目立ちたがりの面倒くさがりで、その任務を楓に押し付けた。楓は行く事にした。

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