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島を渡る日、海に還る日

小説 ファンタジー

島を渡る日、海に還る日

紅鏤輝 施園

(3)

彼の民は、火の涙より生まれた

連載中

12ページ

更新:2017/06/19

説明


[リンク]エブリスタのなんか主催
『なんか夏イベ!2017』参加作品

今夏テーマ『祭』


チームH【★Hot hangout★】
絵師:蜘蛛川あわ 様[リンク]
レビュアー1:kawo 様[リンク]
レビュアー2:栗原 宗 様[リンク]
レビュアー3:大和撫子 様[リンク]
文士:紅鏤輝 施園


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蜘蛛川さんによります美しい表紙絵は此方[リンク]

印象的なタイトルのご提供は、岡田朔 様[リンク]です。

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作品レビュー

大和撫子
大和撫子さん
【作品】島を渡る日、海に還る日についてのレビュー

ネタバレ

穏やかな海満点の星空と月。それらを映し出す夜の海。
静かに打ち寄せる波が、見る者にイマジネーションの翼を授けます。
そしてタイトルから、寄せては返す波のリズムが聞こえてきます。
海中から伸ばされた手。それを愛しそうに握るヒロイン鱗。
果たしてその手は誰を…?
物語は静かに、そして穏やかな波のように心地良く進んでいきます。

それもその筈。街は神龍の神事のさ中なのです。

しかし、庶民にとってそれはお祭りです。その厳かな神事と同時に、
神龍に捧げる料理を選出する為の熱き料理バトルが繰り広げられています。

鱗は死んだ姉、波流の仇を打つ為に島に渡って来た…。
まさか熱き料理バトルに参戦するとは!
彼女の対戦相手は、地底に住む民その名を漁。

二人の出会いは、過去に市場で出会っていた。
しかも!同じキュウリを掴んでしまったご縁だったとは!
キュウリかいっ!と突っ込んでしまいました。思わず笑いを誘います。
海で育った彼女は、私達にもお馴染みの「海の幸」
地帝人の彼は、普段私達がお目にかかれない魚や生物、珊瑚等が食材です。
石まで食材で、全てに火を通すとは、目から鱗でした!
海の幸は勿論ですが、グロテスクながらも香ばしく珍味そうで、
地底料理に興味津々です。

これだけ食材も好みも違う二人ですから、
キュウリという海とは無縁なものが二人の縁を繋いだのも頷けます。

二人を料理バトルへと導いた彼、神津龍一。
神秘的で非常に惹かれました。
この彼が二人にとってどんな存在なのか?
そもそも彼の正体は?
最後の最後に判明した時、物語の全ての謎が解けてそして感動の涙が…。

そして姉の死の真相、姉を死へ導いたのは誰なのか?
事の真相の意外性。
サスペンス要素もあり、ロマンスもありで、読み手を全く飽きさせません。

果たして、神龍に捧げられる料理は誰が選ばれるのか?
鱗は何故あのパンツをあそこまで拒み続けていたのか?

神龍様は、その料理をお気に召すのか?
その答えによって、街は滅亡の危機も…。

イラストの水面から伸びる手の正体などなど…
全ての謎はラストの数ページで判明していくそのテクニック!
思わずうなってしまいました。

海は地球にその生命を生み出した命の源。
静かなる波のリズム、謎めいた熱き海底。

感動しました!素晴らしいお話を有難うございました!

(★)

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2017/06/19 18:06
コメント
栗原 宗
栗原 宗さん
【作品】島を渡る日、海に還る日についてのレビュー

ネタバレ


 ちょっと不思議でロマンチックなタイトルに惹かれました。
 そして、表紙のイラストが、一瞬ホラーかと思ったけれど、まさかの恋愛物という意外性に、表紙のイラストの謎が氷解。水面からの手と女性の手の繋ぎ方が『恋人繋ぎ』だったので。ただ、相手が誰なのかはラストの数ページでわかるようです。

 いきなりの竜神様への供物という熱い料理バトルと、完成した料理に対する人々の歓声。私も食べたくなる調理の描写。海へ向かえば、そんな喧騒(けんそう)など知らないという様な静けさ。
 そんな祭りのシーンに、私の祭り好きな心が、『行って見てみたい』と騒ぎました。

 主人公の元人魚……鱗(りん)が元々追い求めるのは、姉、波流(はる)の事。姉の仇? が誰なのか、はたまた『姉らしき人』の噂はなんなのか。ミステリーを含ませた展開は、ドキドキわくわくさせてくれます。

 鱗のバトル相手は、地底人の漁(りょう)。海の中で育った鱗は生食料理。対する地底で育った漁は、加熱料理。環境の違いが出ています。ただし、漁の料理には、珍味も多そうです。

 地底人の漁が地上に上がった理由はなんなのか。好きな人を追って陸に上がったのか、それとも……他に理由があるのか。それが何なのかは物語の中の伏線が私たちに語りかけてきそうです。
 それが何なのかわかった時、私は胸が熱くなりました。

 もう1人、そんな2人を料理バトルに導いた少年、神津龍一(かみづ りょういち)。にこにこと笑って料理バトルを見守る彼。
 人の中に紛れ込んでも違和感のない彼の住処(すみか)を意外と誰も知りません。

 彼は、2人に取って、敵なのか味方なのか。

 最後まで目が離せませんでした。
 素敵な物語をありがとうございました。

(★)

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2017/06/17 03:15
コメント
kawo
kawoさん
【作品】島を渡る日、海に還る日についてのレビュー

ネタバレ

神龍の神事の厳かな空気と、庶民の祭りの賑わい。
そしてそれらの一環として行われる神龍への供物のための熱すぎる料理バトルのシーンから一転し、過去に遡ってのまるで少女漫画のような市場での出会い。

話の展開、人物設定など、全てにおいて転調と対比が効いた話だなと思いました。

同じキュウリをつかんで取り合い折ってしまうという二人の因縁の出会い。
新鮮ならキュウリはくっつくから…なんて話が出たのでここからすぐに恋が始まるのかと思いきや……。

時折差し込まれる祭りでの調理の様子と物語の進行がリンクしているということもすぐに気づきました。
そしていかにも料理バトルらしい大袈裟過ぎる食材の描写に食欲をそそられます。

性格は真逆なのにどこか似ていると感じていた二人。
主人公が魔女に代償を支払って足を作ってもらった人魚だったように、彼もまた魔女に代償を支払って地上の明かりに対応出来る目を手に入れた地底人だったとわかって納得がいきました。
広い海で育った彼女と、狭い地底で暮らしていた彼。
早く互いにその事を知っていたら、デザートにイカの刺身はアリか、石はオヤツとしてアリかで対立する事もなかったのに。
いや、そこは別に重要じゃないですね。
しかし、魚介類尽くしで単調だった彼女の料理が彼のおかげで豊かなものになったと思うとやはり大切なのかもしれません。
とりあえずなんでも生で口に入れるというのは、さすが火のない海育ちならではです。食材や調味料だけでもヘビーなのに、さらに食べられないものまで…ちょっとドキドキしました。
逆に彼はなんでも焼いちゃうし。


死んだ姉の仇を討つために陸に上がったはずの主人公の耳に届く『姉らしき人』の噂や、料理バトルへと導いた少年がミステリアスでした。
少年の正体は、実はあの人?まさかの神龍?など、色々想像してしまいました。

そして追っていた姉の仇がまさか友である彼だったとは!
どちらの料理が神龍に捧げられるのか?姉の噂の真相は?そして二人それぞれが目的を達成しできるのか?はたまた、全ては水没し、海中火山は火を噴くのか?主人公は拒み続けていたパンツを穿くのか?目の離せない展開でした。
(★)

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2017/06/14 21:14
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