このページのリンクアドレス

エブリスタ

この作品は1年以上更新されていません。

虚無の原形

小説

虚無の原形

安部玲樹

鬱が最悪であった十代の終り頃に書いたものです。

休載中

2ページ

更新:2008/07/17

説明

[虚無の原形]

(1977)

濁りのない
細かな砂粒のなかに
何か やわらかな肌の生きものが
眠っている
息づいている
それは あまりに明るすぎた真昼の夢
生きものは
固まりきらない
ねっとりとしたその體を
砂と砂のあいだで
かすかにうごかしている
翼もなく 足もなく
くらげのようで
角もなく 牙もなく
まるっきりの無防備で
ただ その眼だけが
まるで海のように碧い
進むことも戻ることも出来ない時の狭間で
生きものは 軽い眠りを
むさぼっている
光に充ちた
音のない
乾いた風景
そこに溶け入る
不可思議な
虚無のような
生きている屍

この作品のタグ

タグがありません

作品レビュー

レビューがありません
最初のレビューを書こう!

安部玲樹さんのその他の作品

この作品が入っているマイリスト

登録されているマイリストはありません

この作品の参加イベント

参加しているイベントはありません