このコンテストは受付を終了しました

ジャンル応援キャンペーン ファンタジー「シリアス」

選考結果発表

講評者の三村美衣氏からのコメント ===== 『推敲』 読者は気になる作品を見つけたら、ページを開いて最初から読みはじめる。そのまま読んでもらえるかどうかは、冒頭のできにかかっている。なので、読まれることを意識している著者は、読者を惹きつけるために、工夫を凝らした書き出しを用意している。動きのある印象的なシーンをプロローグにしたり、センスの良さが際立つフレーズや、意表をつくような表現を置いたり。異世界ファンタジーの場合は、覚え難い固有名詞の羅列や歴史講義にならないように注意したい。さて、書けたら次に文章を見直す推敲を行う。動きがない冒頭は、冷徹に文章力を見られてしまうので特に念入りに見直したい。推敲は書き上げたばかりの原稿ではなく、少し時間を置いてからの方がやりやすい。かっこ良いつもりの言い回しや、厳密さに拘った煩雑な説明も、その文章を書いた理由が鮮明なうちは粗が見え難いからだ。また、人から指摘を受けた所は、指摘が的外れに思えたとしても、意図が伝わっていないのは確かなので別の表現にならないか検討する。直すことで逆に文章がよれてしまうことがあるので、直したときはもう一度見直す。この作業を繰り返していると、気をつけるべき箇所がわかるようになり、最初からすんなりと書けるようになる(はず)。 ===== 受賞作品への選評や見どころを一部掲載! ぜひ、読んでみてくださいね。 ※選評は登録されたメールアドレスへ近日中にお送りします。 ※SNSアカウントで会員登録されている場合、エブリスタトップページ上部「現在、このアカウントは仮登録の状態です。本登録はこちら」より、メールアドレスの設定をお願い致します。

大賞(賞金3万円+選評)

竜によって作られたと伝えられる世界。魔導四家の末席パンドルフィーニ家のルネリアは、生まれ落ちた瞬間に産屋に竜の咆哮を響かせ、竜の力を宿す家督継承者となった。外界とも遮断された孤独な彼女にとって、姉の存在だけが心の拠り所であったが、奔放な姉は自分が書いた戯曲を手に家を出て行ってしまう。それから1年、お忍びで街に出たルネリアの前に姉にそっくりな青年が現れ、姉のいる場所に連れていってくれるというのだが……。物語の冒頭より不在であるにもかかわらず、圧倒的な存在感を見せる姉。彼女に会って見たいという一心で物語を読み進めるうちに、ルネリアが抱えている問題や秘密が徐々に明らかになっていく(はず)。先が楽しみな異世界ファンタジー。

準大賞(賞金2万円+選評)

敵の意図が見えない侵略戦争もの。『戦闘妖精雪風』+『遊星からの物体X』+『エヴァンゲリオン』。ミリタリーとバケモノ同士超巨大生物戦が組み合わさり、絵的な迫力のあるアクションSF。中二的熱血具合ととぼけたユーモアが渾然一体となったネーミングや会話のセンスも独特で、なにより薀蓄を楽しく読ませる筆力が素晴らしい。各話終了後につく人物紹介も楽屋落ち的ながら楽しい。

入賞(賞金1万円+選評)

魔女が作ったという一本の道が東西を貫く世界。戦争が絶えることなく、街道沿いに荒廃した街が点在する。その道を、血まみれの軍服姿の男と、黒い服を着た幼女が歩いて行く。男には不死の呪いがかけられており、切り刻まれて死んでも翌日には起き上がってまた歩き出す。だから男の首の認識票には「土葬禁止」の文字が刻まれている。男は呪いから開放されるため、少女は当代の魔女となるために西を目指す。設定がとにかくかっこいい!殺し屋を躱しながら、西への片道のメッセージを届ける仕事で日銭を稼ぎながら、ひたすら西へと歩きつづけるロードノベル。まだ冒頭プロローグといった感じだが、設定、キャラ、語りと三拍子揃っており、ここから積み重ねられていく旅のエピソードに期待!

佳作

異世界転生パターンながら、転生した主人公がチート能力を持たず、世界のことを少しずつ学習、努力を重ねた結果道が開けて行く。地道でオーソドックスな成長もの。能力のインフレがないため行動はとてもリアルだが、地味な割に単調にならず、カタルシスもある。物語の手綱を引くのが上手い。
同性愛者の殺し屋の青年アルと、彼が愛した親友、その親友の妻と息子ロー。不思議な関係ながら、幸せに暮らしていた4人の家族。魔族討伐にでかけた親友と妻が殺され、アルは彼らにローを守り育てると誓う。しかし、友を殺した魔族の正体が明らかになったとき、アルは友との約束を違え、復讐の旅に出てしまう。胸を打つがウェットすぎない絶妙なバランスの語りがいい。息子ローの語りのパートが始まって、物語はここから再会に向かって動き始める(のかな)。
王位継承権を持つ魔術師の少女シエルとその祖母、ひょんなことから魔剣の主となってしまった子爵家の次男坊が、襲い来る魔獣と戦いながら王都へと向かう。魔術と科学技術を同居させた世界設定が楽しい。
乙女ゲー『円環のリナリア』は、好感度2位のキャラがラスボスになって殺されるという、鬱展開を持つ異世界ファンタジーゲームだ。誰も死なないルートを見つけようと、ゲームを周回する理奈。ある日彼女は、円環のリナリアの世界でリナリアとして目覚める。時制はゲームのオープニングから遡ること1年前。里奈は旅立ちまでに全てのキャラが闇に落ちる原因を摘み取ろうと奮闘する。乙女ゲーのシステムを熟知した里奈の解決への思考過程が面白い。

スケジュール

・募集期間: 2018年4月23日(月)17:00:00 ~ 2018年6月24日(日)23: 59: 59 ・中間発表: なし ・最終結果発表: 2018年8月上旬予定

大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作数作品(選評) 書評家の三村美衣氏による選評が付きます! プロに作品を読んでもらう大チャンス!奮ってご応募ください ※大賞~佳作の作品はエブリスタ公式SNSで配信・紹介される可能性があります

講評者プロフィール

三村美衣 書評家。著書『ライトノベル☆めった斬り』(太田書房/共著)、『SFベスト201』(新書館/共著)など。 ライトノベル、SFをはじめとする新人賞の一次、二次選考を担当してきた。 現在、創元ファンタジイ新人賞の最終選考を務めている。

募集内容

毎回ジャンルを指定し、そのジャンルを応援するキャンペーンです! 今回の募集ジャンルはファンタジーで、「シリアス」な小説を募集します。 ★ある日、大量の飛行物体が空を埋め尽くし、人類存亡の危機が……!? ★国の重大な秘密を握ったまま失踪した父を、兄弟で探し求める冒険ファンタジー ★物の怪にとり憑かれた少女を助けるために訪れたのは、魑魅魍魎あふれる場所だった…… ★隣国にて密偵中、ひと際美しいし少女に出会い恋に落ちる。しかし、少女は隣国の王族で…… ★いつも皆の先頭に立って戦う陽気なリーダー。なんだか今日は深刻な様子で……? など、「シリアス」な展開が含まれた小説を募集します。 続きが気になってドキドキ・ハラハラしてしまうようなお話を、お待ちしております!

応募要項

・文字数の指定はありません。 ・募集ジャンルはファンタジー(ファンタジー/現代ファンタジー)です。ただし、内容がファンタジーであれば、他ジャンルの作品でもご応募可能です。 ・新作を推奨しますが、過去作並びにエブリスタ内の公式イベント及び他サービス等の投稿イベントで落選した作品を募集内容に沿うように再構成してご応募頂くことも可能です。 ・アクティブに更新している未完結作品なら応募OK! 意欲的に更新されている作品をご応募ください。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

コンテストの注意事項(必読)