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ジャンル応援キャンペーン SF「近未来」

大賞(賞金3万円+選評)

戦場を駈る美しきアヤ。戦闘用AIにも関わらず、「人間を殺せない」制限をかけられているのがユニークです。禁忌を犯したアヤはトラウマを抱えてしまう。自分は何者なのかを考え、悩みます。機械である彼女の心情描写が巧みでした。アヤの戦闘場面は、敵の種類や、闘い方に工夫が凝らしてあるので毎回楽しめます。洗練された文章で、非常に読みやすい作品でした。

準大賞(賞金2万円+選評)

ワンダフルなロジックを展開した作品です。人には霊魂があると科学的に証明された社会。細胞レベルまで分解する被験者となった主人公。実験開始の直前、博士は突然、主人公を罵り……。読者を驚かせるアクロバティックな場面が続きます。幽霊の正体や、人はどの段階で死ぬのかの考察も興味深かった。ブラックユーモアの漂うラストまで、お腹一杯に楽しめた作品でした。

入賞(賞金1万円+選評

数奇な運命を辿った少女の物語です。姉への心臓移植のために育てられたアマンダ。死後、人型AIとして生まれ変わります。悲劇に次ぐ悲劇。でも、人から喜ばれようと、ひたむきに頑張る彼女の姿に胸を打たれました。そんなアマンダと対極をなすキャラもいます。「完璧な善」として造られながら、人間の敵となった存在。多くのSFマインドが溢れ、なおかつ最後には人間賛歌を伝えてくれる1本です。

佳作

『少子化対策支援法』という法律ひとつで、ディストピアが生まれる恐ろしさ。SEX、結婚、出産が当たり前のように欲得ずくで決まります。世の流れに翻弄される13人の男女の人間模様が凄まじい。そんな13人のキャラそれぞれの持つ、強さと弱さを描く手腕に驚嘆しました。不妊に悩む主婦の嘆きから始まった物語が、やがて社会を変える大きなうねりにつながっていく。壮大なドラマが完成しています。
オペレーターとの通話で、顧客に快適な睡眠を提供するサービス。時として、悩みの相談や、未来版「いのちの電話」のような役割も果たしています。主人公の女性オペレーターは謎の男の電話を受け、大きな岐路に立たされる。最初は愉快犯だとあしらっていたら、彼女自身の正体へと迫ってくるサスペンス。他愛ない会話のやりとりで、不穏な空気を盛り上げていく筆運びがお見事でした。
毎朝、全人類の記憶と肉体がシャッフルされる。同じ体でいられるタイムリミットは24時間だけ。話を広げようと思えば、どこまでも拡大できる設定です。そこをあえて視点を絞り、主人公のモノローグで話を進行させているから話を理解しやすい。またこの星では本当の意味で「見かけは関係ない。心が大事」というメッセージも伝わります。作者自身のコメント通り、主人公達の運命に対して、せつなさが募る作品でした。
特殊能力者による超常犯罪に立ち向かうバディ物。敏腕な女刑事と、特殊犯罪のエキスパートのコンビ。価値観の違いから最初は衝突するけど、やがてお互いを理解する。2人が協力して事件解決をめざすストーリーには、王道のカタルシスがあります。また特殊能力者の設定にリアリティがある点も秀逸です。能力に覚醒するプロセスや、社会がどう対応してきたかなど緻密に組み上げられていました。
エッジが効いている作品です。食糧問題の解決のため、人間の遺体を食糧として加工する社会。黒田の相棒は「死んだ人間への敬意がない」と嘆きます。その象徴として、未来には「墓」がなくなってしまった。現代では当たり前の感覚に、違う角度から光を当ててくれます。ある夜の交通事故が、黒田達の転機になる。愛する人を弔う行為は、人間らしさにつながるとあらためて感じました。
遺伝子検査で人の適性を判断する社会は、ネガティブに表現されがちです。ただ今作においては一面的に否定したりしません。主人公は本来「ランク外」の元スポーツ選手。でも、物語として「誰でも無限のポテンシャルがあるんだ」というありきたりの着地をしない。自分が本当に向いているジャンルで、存分に能力を発揮できる幸せ。その事実を踏まえた上で、希望を捨てない生き方を示唆してくれました。
心停止しても動き回れる医療を研究する主人公。血流が止まっても、細胞が死なない技術のリアリティが凄いです。死の概念が変わった社会ではどんな変化があるか。作者は劇中でさまざまな思考実験を試みています。例えば、処置費用が高額なので、生き続けられるのは富裕層のみであるとか。あるいは心停止してる人は法律的に“死体”扱いだとか。ユーモアを交えて、ありうる未来を見せてくれました。

スケジュール

・募集期間: 2018年6月4日(月)17:00:00 ~ 2018年8月5日(日)23: 59: 59 ・中間発表: なし ・最終結果発表: 2018年9月下旬予定

大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作数作品(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。

募集内容

毎回ジャンルを指定し、そのジャンルを応援するキャンペーンです! 今回の募集ジャンルはSFで、テーマは「近未来」です。 ★タイムマシンを開発した!30年後の自分は……。 ★一家に一台ロボット配布の時代。ロボットたちは反逆を企てていた。 ★友達になったあの子は、宇宙人でした。家に招待されたが、その内装とは……。 など、「近未来」を設定に入れた小説を募集します。 これから先の未来はどうなるのでしょうか。 想像力を刺激するエキセントリックなお話を、お待ちしております!

応募要項

・文字数の指定はありません。 ・募集ジャンルはSFです。ただし、内容がSFであれば、他ジャンルの作品でもご応募可能です。 ・新作を推奨しますが、過去作並びにエブリスタ内の公式イベント及び他サービス等の投稿イベントで落選した作品を募集内容に沿うように再構成してご応募頂くことも可能です。 ・アクティブに更新している未完結作品なら応募OK! 意欲的に更新されている作品をご応募ください。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

コンテストの注意事項(必読)