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起承転結"起"

僕の名前は田中信人、信じる人と書いてノブトと読む。
人はみんな僕をノブとかノブさんと呼ぶ。

これから話す物語は実際に僕が過去に体験した昔話みたいなものだ。

忍耐力があるなら、少し僕の話を聞いて欲しい。

『えッ!?お母さんが倒れた!?』

真理子さんが僕の背後で大きな声を上げた。
実家がある田舎からの電話に彼女はもう1時間以上は立ちっぱなしで話している。

どうやら真理子さんのお母さんが病気らしく、親戚が真理子さんを呼んでいるようだった。

しきりに
『でも…』
『けど…』
『仕事が…』
と対応している。

何を言っているかはわからないが、電話越しに年配らしき女性の声が聞こえていた。
しかし、真理子さんの声色で女性が何を言っているかはだいたい想像がついた。
"一度帰省しなさい"

"でも…仕事が…"

僕は真理子さんが長電話を嫌う理由も知っている。
なのにかれこれ1時間以上経過しているわけだ。
余程帰りたくないのだろう。
真理子さんがしきりに実家に行く事を拒む理由は2つあるのだから。

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