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プロローグ

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“……ねぇ、夢美(ゆみ)。お姉ちゃんがいなくなっても、お母さんと二人で協力してやっていける?”

突然お姉ちゃんがそんなことを言いだしたのは六月にしては肌寒い、雨の降る夜のことだった。

“どうしたの急に。お姉ちゃん、高校卒業したら地元で仕事するって言ってたよね?”

もしあの夜に戻れる手段があるのなら、今すぐにだって、どんな方法を使ってでも戻りたい。

“……上京しようとか考えてるの? やだよあたし。離れ離れなんてなりたくない。大体、卒業なんてまだ一年以上先じゃない”

どうしてあのとき、お姉ちゃんがあんなにも寂しそうな顔をしていたのか。

どれほど辛い気持ちを胸の中にため込んで、言いたい言葉を吐き出せずにいたのか。

それを、理解してあげられていたなら。

こんなことには、ならなかったかもしれないのに。

「…………」

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