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ある少女の思い出

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ある少女の思い出

 彼女と出会ったのは私がまだ十歳の頃です。
 母に叱られて森にある泉の前で落ち込んでいた時に、あの子は優しく話しかけてきてくれました。

 彼女はとても美しい心を持っています。

 遊ぶ時も学ぶ時も私達はいつも一緒でした。
 将来の夢について語り合い、一度ならず恋の話もしました。
 二人で森の奥にある古い屋敷へ遊びに行った時には、二人の友情が永遠に続くように町に古くから伝わるおまじないをしたものです。

 あの頃はなんと輝かしい毎日を過ごしていたことか。
 私はとても幸福な子供時代を過ごしたのだと胸を張って言うことが出来ます。

 けれど人々は、私達が仲良くするのを好ましく思っていませんでした。

 フィオナは魔女の生まれ変わりだ。
 このままだとサーシャは彼女になにをされるかわかったものではない。
 早く縁を切ってしまいなさい。
 もっと別の子と遊びなさい。

 いくつもの不快な声が私達の幼い心に不安を与えました。
 こんなことで二人の友情が壊れるわけがない、大人になっても、年をとってもずっと親友でいられるのだと思っていたのです。

 けれど私は今とても恐れていました。
 子供の頃からの親友を徐々に信じられなくなってきたのです。

 魔女だと呼ばれ、恐れられてきた存在。
 いつからか私の心の中には「フィオナへの恐怖」が芽生えていたのでした。

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