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プロローグ

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プロローグ

※著作権の関係により保存はご遠慮下さい。使用権は私に、著作権は絵師様となっております。



「ごめんね、突然。でも、どうしても伝えたくてーー」


放課後の教室。部活動の生徒達の活気溢れる声が響く中で二人きり。誰もが口を揃えて優等生であると言うであろう、地味で真面目な城咲珠璃(しろさきじゅり)は高校三年生になったばかりの今日、告白された。


「えっ……? あ、あああのっ、私……ご、ごめんなさい!」


黒縁眼鏡、今時珍しいおさげヘアー。自分に自信が無く何時も俯(うつむ)いてばかり居る彼女は異性に全く免疫が無く、思わず逃げ出してしまった。ーーこれが彼、霧島要(きりしまかなめ)を認識した初めての日だ。


「はあ、はあ……っ。な、何で私なんかに……」


心臓がどどどどどっと暴れ回り、気分が悪い。長い柔らかな栗毛色の前髪から覗く白磁(はくじ)の様な霧島の綺麗な肌が、頭から離れない。髪型のせいで輪郭と肌の色しか解らなかったが、珠璃は彼の姿をはっきりと覚えた。


「……ははっ、振られちゃったか」


一人残された霧島はぽつりと呟き、珠璃が走り去った方向を切なげに見詰めた。告白を受け入れて貰えるとは思っていなかったが、此処まで拒絶されては流石に傷付く。しかし、諦めるつもりは毛頭無い。


「でも、俺の事をこれで少しは意識してくれるよね……?」


慌てて校門から出て行く珠璃の姿を教室の窓から見遣(みや)り、口元に弧を描く。これから彼女が居るこのクラスで過ごせるかと思うと、楽しみで楽しみで仕様がない。


「なるべく登校しないと駄目……だよね」


鞄を席から取り、スマートフォンを慣れた手付きで弄る。“これから現場に向かいます”と短く打った彼は、至極楽しそうに教室を後にした。


「きゃー! SHIN君こっち向いてー!!」


キラキラとしたいかにも女子が好みそうな衣装を身に纏った、ステージの上で営業スマイルを浮かべクールに佇(たたず)む彼は、今をときめく大人気アイドルにして俳優の、SHIN(しん)。そう、彼は霧島要本人だーー。



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