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流転

水素と酸素の混合気体に点火すると爆発して少量の水を作る。
気体から液体が生成されるその様子はまるで何もないところから水が出現したように見える。
また、その水が蒸発する様子も水が消滅しているように見える。

しかしそれはあくまでも見えるだけだ。

水素と酸素といういわば水の元がそろっているのだから、衝撃を与えれば安定した水となる。

つまり並べ替えただけなのだ。

蒸発も状態が変わったにすぎない。

見た目は変わっていても中身は何も変わっていない。

するとこの世のほとんどの物は何かしらの周期の中に入っているようにも思えてくる。
水も金も、見た目や所有者が変われど総量は変わらない。

ならば同じように命も循環しているのではないか?

もちろん生命が生まれたばかりのころと現代とで命の総量が同じかと聞かれれば首を横にしか振れない。
しかし少なくとも現代においては、命の数は飽和状態で増えることなく様々な生物へ移り変わっているだけのように思える。

そして

もしそうだとすると、私はどういう存在なのだろう?

少しずつ滞りつつある人の命の循環を回す役目だろうか。

もしそうなら…


そうなら…



私は

人を殺すことを運命づけられているようなものではないか。



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