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記録0:薔薇の王

『我、名をレオン・エヴィル・ローゼンベルク

我、終焉を迎え、骸より御霊を解き放つ

主よ、我が御霊に記憶を刻み、輪廻の輪に還せ

主よ、我が記憶を守りたまえ

主よ、我を愛したまえ』

「嘘だろ……」


声を発したのは、魔族の有力者、七大貴族の一人、ルド・ラグラスだった。


天窓から光が降り注ぐ魔王城最上階に位置する魔王の間。そこには緊迫した空気が流れており、七大貴族達は皆、目を見開いていた。その目には恐怖すら感じることが出来る。


皆の視線は床に倒れた一人の魔族に集中していた。魔王、レジアルド・ブラックフィールドだ。


「弱い」


ゆっくりとヒールを鳴らし、魔族の男が近づいてくる。魔王を倒した魔族だった。


「現魔王がここまで弱かったとは思わなかったぞ」


男はそう言い、倒れている魔王の横にたった。全身ボロボロの魔王は薄く目を開き、男を見上げる。天上から降り注ぐ光が逆光になり、顔が見えない。


「わた……しは……貴方にだけは……魔王の座を……譲るわけには……」


「黙れ」


「ぐあぁぁぁッ!!」


男は魔王の腹を踏み潰した。魔王の口から大量の血が吐き出される。


「貴様は歴代魔王の中の……汚点だ」


そう呟くと、魔王を蹴り飛ばした。見ていられず、七大貴族達が急いで前へ出てきた。


「やめろ!!」


「これ以上は、一方的な暴力です!」


「そうだ!魔王様はもう立ち上がってはおられない!」


「私もこれ以上は流石にどうかと思うね」


「魔王様をもう傷つけないで……!」


「勝負はついてますわ!」


「俺も皆に同感だな」


男は長い髪をゆらりと揺らしながら、七大貴族の方へ振り向いた。


「ぬるいな」


「ッ!」


眉間にシワを寄せ、男は七人を睨みつけた。一瞬にして、全員が凍りついたように身動きが取れなくなった。全員が彼を恐ろしいとそう思った。


「七大貴族も落ちたものだな。いいだろう、すぐに其方らの頭の悪い考えを改めさせてやろう。ミュートロギア」


「は、はいですわ……!」


「其方、先程勝負はついていると言ったな」


「あ……」


「では」


男がマントを翻し、片腕を広げた。


「世界に宣言せよ!新たな魔王がたった今誕生したと!」


男の声が魔王の間に響き渡った。そして、魔王はそれを聞いて静かに目を閉じた。

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