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午前4時。

まだ薄暗く、明けの明星が輝いている。

そこを潮風に吹かれながら、1人の男が波打ち際を歩いていた。

波の音と共に彼の足音が静かに響いていたが、その背後からもうひとつの足音が近づいてくるのに気づいた。

彼にはその足音の主が誰なのかわかっていたかのように歩みを止めてふり返り、自分の目の前にくるのを待っていた。

「…遅い。呼び出したのはあんたでしょ?」

そう言って、彼は目の前の男を睨んだ。

「で、話ってなに。
こんなに早い時間に呼び出したんだから、くだらない話だったら怒るから。」

すると、男が突然彼を海へ突き飛ばし、襲いかかってきた。

一定の旋律を奏でていた波の音が、激しい水音と息遣いで狂い始めた。

必死に抵抗する彼を押さえ込むようにもみ合っていたが、みぞおちに力強く拳を突き上げられた彼は、小さくうめき声を上げてそのまま海の中に倒れ込んだ。

「なんで…!」

その言葉の続きを言い終わることもないまま、彼は意識を手放した。

それを確認した男はなにかを呟くと、ナイフを取り出し彼の身体の至る所を何度も切りつけた。


昇り始めた太陽に照らされて輝く水面が赤く染まり始めた頃、男はその場を後にした。

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