微熱:序章

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微熱:序章

暑い夏。 今年も夏がやってきて、過ぎ去っていく。私は今でもずっとあの夏を忘れられなくて、焦がれてる。 今でも叶うことならば、もう一度でいいから、会いたい。一瞬でもいいから私に触れて、名前を呼んで欲しい。 「……熱い」  真夏なのに電子レンジで温めたココアを飲みながら、私は毎年思い出すのだ。 「 ( どこにいるの…? 私を、置いて行かないで ) 」  ねえ、椎名さん。あなたは私を覚えていますか。
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