第一章 シャマイン

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「猿が一匹、ニシキヘビが一匹、狸が二匹にレッサーパンダが一匹。あと、トイガーって知っている?」 「いや」  熊野御堂は首を横に振る。  春がタブレット端末の画面を見せながら言った。 「これなんだけれど」  そこには猫が写っていた。ただ、その模様が虎のような毛並みをしている。 「おもちゃみたいな虎でトイガーっていうらしい。それが四匹」 「犬はいないんだ? ……確かに偏っているね」  と、熊野御堂は視線を春に移す。  タブレット端末を机の上に置いて、春がボクサーのようにファイティングポーズをとった。
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