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可愛い寝顔に掛かる、髪を指で避ける。
座り込んでいる俺は、暫く胡座の上に頬杖を着きながら、癒される寝顔を只…見つめていた。
どれくらい見ていただろう。
時間にすれば恐らく、四半時も経っちゃいねぇ筈だ。
身体中の力が抜けて、酷い猫背の様になっていた俺に酷い睡魔が寄って来る。
明日は大坂だ。
早く休まねぇとな。
欠伸を一つ、盛大に出した俺は頬杖を外し自分の部屋へ帰る。
『…フッ』
筈ねぇだろが。
『邪魔するぜ』
ペイッと掛け蒲団を捲ると、小さく丸くなって寝ている莉亜の隣に陣取る。
着物は皺くちゃになるが…
どうでも良いさ。
鼻で笑うと莉亜の枕を奪いつつ上手く腕を差し込む事に成功。
小さくも柔らかな身体に残りの腕を巻き付けて、愛しい存在に顔も寄せる。
つかよ…
『なぁ?起きても良くね?』
結構…乱暴にしたんだが?
何で起きねぇかな。
『ククッ…』
あ~…参る。
俺の腕でスピ~スピ~と寝息を立てるコイツが…可愛くて仕方ねぇ。
『何でピ~ピ~鳴るんだ?』
今まで寝顔は何度か見たが…
眼前にある無防備な顔に問い掛けても、当然答えは無く。
ピ~音が…妙に可笑しくなり、身体に巻き付けていた手で口を覆い、必死に笑いを堪える。
ヤバイ…つ…ツボに…
『ッ…く…ッ…ブハッ』
「……んぇ?」
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