第十九章 救世主

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ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!……。 杉崎の心臓が早鐘を打つように鼓動を打ち続けている。 (このバリケードで持つか? もし破られたら?) 鮫島が、拳銃を構えながらバリケードの隙間から外を見た。 「違う! 感染者じゃねえ! 車だ! それも自衛隊の奴らが乗ってるようなジープだ!」 自衛隊のジープから、一人の男が降りて、こちらへ向かってくる。 年齢は、杉崎と同じぐらいであろうか、長身でスラッとした体形、自衛隊がかぶるようなヘルメットをかぶっており、迷彩服を着ている。 手にはアサルトライフルのような物を持っている。 和泉が黄泉で殺した感染者の遺体を丹念に調べながら、コンビニの方へ向かってくる。 コンビニの目の前に差し掛かったあたりで、男が大声で喋り始めた。 「生存者の方はおられませんか? 陸上自衛隊です! 一般市民の方の救援に参りました!」 「え!? 自衛隊? やっとあたし達の救援に来たのね! やったー!」 絵理子がシャッターのスイッチを押そうと、レジへ走ろうとするのを、鮫島が絵理子の腕をつかんで止めた。
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