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ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!……。
杉崎の心臓が早鐘を打つように鼓動を打ち続けている。
(このバリケードで持つか?
もし破られたら?)
鮫島が、拳銃を構えながらバリケードの隙間から外を見た。
「違う!
感染者じゃねえ!
車だ!
それも自衛隊の奴らが乗ってるようなジープだ!」
自衛隊のジープから、一人の男が降りて、こちらへ向かってくる。
年齢は、杉崎と同じぐらいであろうか、長身でスラッとした体形、自衛隊がかぶるようなヘルメットをかぶっており、迷彩服を着ている。
手にはアサルトライフルのような物を持っている。
和泉が黄泉で殺した感染者の遺体を丹念に調べながら、コンビニの方へ向かってくる。
コンビニの目の前に差し掛かったあたりで、男が大声で喋り始めた。
「生存者の方はおられませんか?
陸上自衛隊です!
一般市民の方の救援に参りました!」
「え!?
自衛隊?
やっとあたし達の救援に来たのね!
やったー!」
絵理子がシャッターのスイッチを押そうと、レジへ走ろうとするのを、鮫島が絵理子の腕をつかんで止めた。
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