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取引先の外資系のIT企業のクリスマスパーティーに来たのは、上司の野々村部長の付き合いに引きずり込まれたせい。
うちは、この会社に事務職の女性を何人か派遣していて、そこそこ評価されている。
ただ、実際、ここの担当は俺ではなく、俺の先輩の井上さんが野々村部長と組んでやっているんだけれど、今日に限って、その井上さんが、この時期にインフルエンザとか。
ピンチヒッターで俺が呼ばれたのは、たんに、男性社員で空いているのがいなかったから。
なぜ、男性社員なのか。
それは。
「きゃっー!」
「エドワード様っ!」
「ああっ、目の保養!」
大概の女性スタッフが、先方の取締役、エドワード・ランバートンの魅力に耐えられないから。
実際、今、俺の目の前で展開されているのは、女性スタッフに囲まれている余裕の微笑みの彼の顔。
エドワード・ランバートン。32歳。バツイチの独身。
金髪に青い目のこの男は、男の俺から見ても、それはそれはイケメン様で・・・ムカツク。
こうして、パーティーに参加してみて、つくづく思う。
神は本当に、あの手の男には、幾つもの幸せを授けるものなのだなと。
よそ様のパーティーにお義理で参加している俺としては、さっさと終わらせて、家に帰りたいところ。
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