アッサンブレする天才

33/62
814人が本棚に入れています
本棚に追加
/306ページ
拓也さんは一つ頷いた。 やっぱり一緒に住むの!? 「ドロフェイから、話は大体聞いてる、目指してるんだよね、ローザンヌのスカラシップ」 真剣な目でそう尋ねた拓也さん。 だから私も、背筋を伸ばして「はい」と頷いた。 「だったら、整った環境が必要だと思ったんだ。丁度俺の家は、自主練用にススタジオも作ってあるし、部屋数もまあまあある。竹野さんの技術力向上のために、メインはドローニャだけど交代で俺ら全員でレッスン見ることになったから、みんなで一緒に住めば都合がいいだろうって」 言い換えれば四人がかりで面倒を見てもらわないと、ローザンヌの地に立てるレベルにならないということか。 我ながら情けない。 それもそうだけれど、ローズファミリー全員から指導してもらえるなんて、規模が大きすぎて目眩がしそうだ。 驚きを通り越して、逆に冷静になれた。 「取るんだろ、一位」 「あ、はい・・・」 「スカラシップだよね、マドカ~」
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!