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拓也さんは一つ頷いた。
やっぱり一緒に住むの!?
「ドロフェイから、話は大体聞いてる、目指してるんだよね、ローザンヌのスカラシップ」
真剣な目でそう尋ねた拓也さん。
だから私も、背筋を伸ばして「はい」と頷いた。
「だったら、整った環境が必要だと思ったんだ。丁度俺の家は、自主練用にススタジオも作ってあるし、部屋数もまあまあある。竹野さんの技術力向上のために、メインはドローニャだけど交代で俺ら全員でレッスン見ることになったから、みんなで一緒に住めば都合がいいだろうって」
言い換えれば四人がかりで面倒を見てもらわないと、ローザンヌの地に立てるレベルにならないということか。
我ながら情けない。
それもそうだけれど、ローズファミリー全員から指導してもらえるなんて、規模が大きすぎて目眩がしそうだ。
驚きを通り越して、逆に冷静になれた。
「取るんだろ、一位」
「あ、はい・・・」
「スカラシップだよね、マドカ~」
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