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……ガションッ……!
底の見えない穴から、何かの音がし始めた。
ガショッ…ガショッ…ガショッ…
なんだこの音は……?
私は足元を確認した。
仮面…つまりボスが、闇の中に浮かんでいる。
それ以外に、視界に変化はない。
ガガッ…ガッ…ガガガガッッ!
音の勢いが早くなってきた。
と、同時に穴の底から、何かが見えてきた。
巨大な何か……よく分からないが、それが勢いよく、はいあがってくるではないか。
「……な、何あれ!?」
驚き目を凝らして見る。
皮膚が土でおおわれた、巨大な化け物だった。
目や鼻などはなく、あるのは大きな口のみ。
それが口を開け閉めしている。
そして鋭くとがった歯を、ガショガショ言わせながら、上へせりあがってきているのだ。
……確実に穴にいる私達を、食べる気だ。
朝霧さんも、それに気付いたらしい。
「……くぐっ……ハァ……ううう…!!
あがれーっっ!」
彼は凄まじい叫び声をあげる。
……ドサッ!
すると私の上半身が、わずかにだが地面に上がった。
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