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一夫多妻の弊害である。後悔などしていないし、できることなら俺だって全員相手してやりたいところだがひとりが11人に勝てるわけないだろ。何ならユグド王国外にも恋人が居るのだから早速その数は目に見えてるだけに留まっていない。
「そういえばメリスさんはアレス様と大浴場で楽しんでいましたよね?」
俺とメリスが同時にユノへ視線を移す。このゲス聖女口止め料を払ったのにも関わらず今更アレス様に何でもしてもらう貸し1など無意味だと判断した瞬間、見事にバラしやがった。
「お前は2度と聖女を名乗るなよゲスユノ!」
「名乗ったのではなく呼ばれただけですし!」
「私は待てますとか言っておきながらこのメス豚やることやってるわね…」
「だっ! ちが!…あれは純粋に単なる子作りを…」
「大浴場でぇ~?」
シズネリアがメリスに詰め寄る。助けてくれとメリスがこちらを振り向くが大浴場での子作りを迫ってきたのはお前だし、俺は一応寝室に移動しようと言ったし、これはお前も悪いからな。そもそも今助けて欲しいのは俺だからな?
「おい、そろそろ収拾をつけてくれエンテさん…」
「………そうですね………………………」
最早こうなってしまった以上絶対遵守の命令が不可避だ。
俺たちが唯一逆らえないのはエンテなのである!!
「みんなで朝風呂なんて如何でしょうか兄さん?」
「妹よ! 兄を朝から熱帯夜にする気か!?」
「ちょっと何言ってるかわからないですが…ひとり一回までですよ…」
兄の方が妹が何を言ってるのかわからないが!?
「「承知しましたエンテ様!」」
「勇気を出して逆らうしかない! 抗って見せる!!」
1分もしないうちに俺たちは大浴場に移動した。無駄な抵抗だった。
飛行船で旅をしていた時のことを思い出すな。よくこうしてみんなで一緒に男湯に浸かったものだよな。何でお前ら男湯に浸かってんのという疑問を何度も聞いたっけな。レイグは当時から役に立たなかったけど今回も逃げやがって役に立たないな。混浴の大浴場にされて、ついには男湯だから出て行けの常套句まで封じられるとは思わなかったな。
「さて…風呂だ風呂! 俺はただ風呂に入りに来ただけだ!」
それ以上のことは何もないんだぜ…。
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