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「……………」
「意味が分からないか。そうだろうな。この人の思考回路は俺にも分からない。
ただ、言葉一つ一つにそれぞれ意味がある。
"手玉と手元"
大岸美和子は俺をどう見てるか。
"似て非なる言葉遊びにご用心"
はっきり理解できないから用心しろ。彼女の前では慎重に行動し警戒しろ。
"果実の実と種は切っても切り離せない?…いや、人間は実を食べて種を捨てる"
大岸美和子は必要なくなれば黒川永悟を捨てるだろう。その時が行動開始の合図であり、同時に黒川永悟をINEVITABLEと認識したときだ。
ご丁寧に架空の"ミロトダリ・アンバス"という"フランスの作家"を加え、俺を混乱させるための布石に引っ掛かるなと警告された。
…どうです?心さん。合ってますか?」
「excellent!正解よ。ちゃんと伝わってたみたいでよかった。」
「ま、混乱したのは俺も同じですよ。橋本主任が教えてくれなかったら、俺の方が危なかった。」
「…と、いうことだ。
心が非常に危険な種だと思ったら、俺たちは行動するだけ。そういう勘を100%当てる人間だからな。
手始めに俺が"X"として情報を収集。
派手に行動し名を知れ渡らせれば、悪名は悪名を呼ぶ。
土台ができたところで黒川永悟にバトンタッチ。こいつの任務は"Xとしての大岸美和子を黒川の前に連れてくる"と"大岸美和子の組織を壊滅"の二つ。
…成曰く、黒川は賢いから、手際よくやるだろう、と。
…本当に手際がいいなお前。まさか壊滅させるのを俺にやらせるとは思わなかった。」
「一人で無理。んなもん。」
「反抗的だなおい。」
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