空音

まず「階段の章」。 残虐非道モノにしては平凡、という印象。レイナによる無限ループ、という解釈でいいんでしょうか? 無限ループであれば、もっと初めの方に無限ループの根拠となるエピソードを加えた方が効果的。それから、「裏切られた→殺してやる」の友人との会話や自分の心理描写の過程が軽かった。あと、主人公が「玲奈」という名であることがキーワードになっているのだから、もっと初めの方に主人公が玲奈だと明かしてもよいのではないか。 「体育の章」 ええと、西尾維新? 清涼院流水? 誰に影響されたのかわからないが、繰り返し表現が多い。繰り返し表現はただでさえうっとうしく思われる。その表現に、意味はあるのだろうか。内容はなんだか「なんで?」ばかりが出た。ホラーをやりたいのはわかるが、どうしてそうなるのか不思議だった。ホラーにもロジックがある。一度色んなホラー映画を見てください。 「PCの章」 無限ループであれば(ry 「渡廊下の章」 無限ループであれば(ry 他の話は読んでいません。 読んだ4つの中では「階段の章」が一番面白かったです。たぶん、一番物語になっていた。他はなんだか「異形の何かを出して、主人公たちが怖がれば読者も怖がるんでしょ」と言っているようだった。きっとホラーの勉強不足。 あと、繰り返し表現に関してはなるべく減らした方がよいかと。 西尾維新だって初期の頃は多かったけれど、最近はぐっと減ってますし、ここぞという場面にとっておいています。これくらいの短い作品でしたら、繰り返し表現は一回用いるか否か程度だと思ってください。それから、言葉遊びって似たような言葉をただ繰り返せばいいって訳ではありませんよ。 と、ちょっと辛めに評価してみました。 ホラーかつ異形のものを書きたいのであれば、メアリー・シェリー著『フランケンシュタイン』をどうぞ。映像化されたものではなく、和訳された小説がよろしいかと。
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とても参考になるレビューをいただけてありがたいです。 仰る通り、これを書いた当時は西尾維新に影響され過ぎていたものですから、こんな出来になってしまってました。 そろそろ全体的に書き直そうかと考えていたところでしたので、このようなしっかりとした指摘のある意見を聞かせていただけて感謝しております。 この度はレビューいただき、ありがとうございました。

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