杉宮海翔

一人称の最大の持ち味を生かした作品だと思います。狂気に見入られ戯言を繰り返す老婆に、人はうすら寒いものを感じてしまうでしょう。 しかし他の方々も仰る様に、『判断材料』が少な過ぎる。これで読む人によっては錯乱した婆の妄想だけの話の様になってしまいます。 折角良い仕上がりになっているのですから、1ページ目に『その人は春を繰り返す』という前置きを書いたり、登場人物の特徴的な仕草を書いてみたりしては如何でしょうか。 読む人を選ぶ作品ですね。情景が分かりにくい反面、非常に内面を巧く捉えた作品でした。

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