Satori

 度々出てくる言葉『これ以上、傷つきたくない』。  圭に振り回される桃を見て頼りなく感じ、「桃……しっかり!!」と、正直、最初はやきもきしながら読んでいました。  しかし、未來と桃花の囲碁対決。  あのシーンを読んで気付いたことがあった。  ずっと好きだった人を手に入れ、囲碁もちょっとやそっとじゃ負けないくらいに強くなった未來。  泣いて笑って突っ走るだけだった未來は精神的にも落ち着いて魅力的な大人の女性に成長していた。  だけど、わたしにはその未來が『敵』にしか見えなかったんです。  黒しろ本編では、完全な未來派だったわたしは、何故か本気で桃花を応援していた。なんだろう。自分の気持ちに素直になれず、不器用で、何もかも空回りばかりのヒロインだからこそエールを送りたくなる。  囲碁では奇跡でもいいから未來を打ち負かし、彼女に自信を取り戻して欲しいと思っていました。  いつの間に、わたしは桃花派になっていた?! なんて、自分がわからなくなり、少し読み返してみました。  わたしが桃花に感じていたやきもきは、桃花自身も同じように心に抱えていた『葛藤』でもあって。  大人にならなくちゃいけない、わたしは教師なんだから(彼女は非常に真面目な性格ですよね)と、心の中にあるものを押さえ込んでもがいているのが、少しずつ読者に伝わってくるからなんですね。  そして、絶対高校生じゃないだろう?! というくらい大人っぽい圭。  読者の年上女子からかなり人気があったようですが、わたしも猛より圭派です。 『雨降る朝』のバスの中のシーン。  大人びていて、常に主導権を握り年上の桃花を振り回す圭。一体いくつなんだ?! と思っていたところで、ただ横に座って欲しい、なんて高校生らしいところを見せられるとギャップにやられる。  俺様なんだけど、愛情に飢えていて、桃花に温もりを求める姿を文章の中から間接的に感じると、そこがまた愛しく思えたり。  黒しろみたいにスカッとしたフレッシュさとはまた違う、大人と子供の狭間で桃花と一緒に悩んでひとつずつ確かに願いを叶えていくストーリーに、じんわりと幸せを噛み締めました。  番外編の桃の強烈な花言葉。  なるほど、コウちゃんらしい。  黒しろファン、必読の物語です。
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Satoriさま… 素敵なレビュー誠にありがとうございますっ! 。'+:゚嬉シ+.。゚(*ToT).+:。泣キ+゚:.'。 いやー涙出ますよ。本当いつもいつも… (つд;*)(笑) …私も書いててやきもきした桃ちゃん(笑) いやー慣れぬことをして苦労しました…_(^^;)ゞw 桃ちゃん、予想より伸び~てなってしまいスカッと纏めきれず、そこが悔やまれますが、もういいです。次!進みます(笑) 圭斗は実は私も猛よりタイプだったりします(笑) 猛は最初苦手とするタイプだったけど、接するうちに好きになってしまう。を書きたくて、 で今回の圭斗は最初から好きなタイプに走っ
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