三人の主人公が物語を怪奇に彩る異色西洋奇譚! 前のレビューがありますので、コメント欄にてレビューをばm(__)m 数々のどんでん返しと濃密な世界観に圧倒される一作でした。読み終わってみて、他の方々のレビューを拝見してみて、あれ、私が言う事なんもなくね?w というのがぶっちゃけた所。 この作品の真骨頂と言うべきは、魅力的なキャラクターはもとより、何と言っても人間の内面を鋭利に抉り抜く心理描写と演出だなぁと改めて思いました。 婚約者を失ったアルバートの絶望、レジーナを襲う老いの恐怖と美しさへの渇望。下手に描くと安っぽくなってしまいがちなテーマですが、本作においては人間の醜さを交えて深く深く掘り下げられているから非常に高いリアリティが演出されています。読み終わる頃、どちらの心理にもどっぷりと感情移入してしまうのはきっと、感動というものを綺麗ごとで済ませていないからでしょう。誰にだって醜い一面がある。それを否定するのではなく、認めて前に進む人間こそ真に魅力的なのですね。すげぇー……、と思わず唸ってしまう幕引きでした。 ただ、物語として詰まっているものは本当に秀逸だと思いますが、全体的に、カットする前の宝石や、研ぐ前の日本刀みたいな印象を受けました。 たぶん問題は内容じゃなくて、ミステリとしての切れ味の部分。と言っても、ご自身が気にされているトリックの作り込み自体は全くもって問題ないと思います。むしろ作り込み過ぎて振り回されちゃってるのでは^^; ミステリで重要なのは、何もトリックだけではありません。トリックの質なんか極端に言えば二の次で(日常系ミステリなんてものが流行っているわけですから)、見せ方、描き方の方が切れ味の鋭さに大きな影響力を及ぼすんじゃないかと思うのです。 さて。ここで恒例のアドバイスなんですけれども……。 先にお断りしておきますと、今回、アドバイスとして踏み込む領域は現在私自身がぶち当たっている壁でもあって、はっきり言って指摘はできてもアドバイスになっているか分かりません。もしかすると見当違いの事を言っているかもしれません。本当に、一意見です。参考にするかどうかもアマートさんがご自身の目で見極めて下さい。無責任な事言ってホントにすんません。 と言う事で、続きます(ごーん)
1件・12件
まず、なんかこう、ふわふわした印象を受けるんです。纏まってないというか、先にも書いた通り、複雑な設定に振り回されてしまっているような印象です。 原因の一つはおそらく、悪い意味で犯人が誰だかわからないところ。例えば、クローが「そうか、お前か」と言った時点で、アルバートが犯人じゃないかと思えてしまうような。伏線の方向性がバラバラ、と言い換えても良いかもしれません。この伏線が誰を犯人と思わせたいのかが分かってしまうというか……。難しいですよね。 読み進めて行くうちに私の頭に浮かんだ犯人候補は、レベッカ、レジーナ、アルバートの三人。はじめにレベッカが犯人じゃないかと思わせて、次いでレジーナという逆
もちろん、そこに詰まっている物語は非常に濃く、感情移入するあまり鳥肌が立つシーンも幾度となくありました。そしてもう一度、魔法世界だけをさっと読み返してみると、今度はさほど長くは感じないという不思議。 なので、おそらく原因は魔法世界の長さじゃなくて、その前、現実世界での伏線の長さではないかと。現実世界で煮詰まるまでが結構な分量ありますから、そこから魔法世界に入る時に『いよいよ』感が出てしまって、いよいよと思ったのになかなかクライマックスが来ないから、ちょっと長く感じてしまったのではないかと。場面ごとの起伏はあっても、全体としての起伏が無いというか、起伏の波長が長いから無いように感じてしまうとい
読者が求めているのは、実はトリックの細かい整合性ではなく、単に面白い展開なんですよね。これだけのものを詰め込むなら、もはや描くものをトリックの骨組みと人物の感情だけに絞るくらいの意気込みでちょうどよくなるのかなぁ、と思いました。ただそれでまとまるかは以下略ですが。 イマイチしっくり来ないようでしたら、これまた差し出がましいですが拙作『空凪の箱庭』を読んでみてください。これ、まさに設定を複雑にし過ぎてまとまりがつかなくなって、実際書いたものから1/3ほどを削ったSFミステリのつもりなのですが、さっき読み返してみるとまだまだ余分な展開やら伏線やら描写やらがボロボロと……(笑)もはや修正する気も起
レビュー早っ。と思ってしまったアマートです。 いやはや本当にありがとうございますm(_ _)m しかし難しいですねぇ。トリックは本格派にとってはストーリーよりも重要な物で、私にとって推理小説とは謎解き小説です。簡単なトリックでさえ書けない故に捨てたという……。あれめちゃくちゃ難しいんですよねぇ。トリック仕掛けるタイミングとか。仕方ないので、元々書きたかった魔法の世界観をミステリー風味にした、という感じてます。やっている事はミステリーと言うより魔法使い退治(;^ω^) >>悪い意味で犯人がわからない うーん……。彼処でクローが気付かなければ、アルバートに道案内をさせたり、敢えて放置
>>現実世界の長さ 削るとしたらそこですかね。一作目と言うのもあり、魔法の説明をしながら進んでいるので、中弛みになっているのでしょうか。あとメノウとある程度仲良くさせた方が消えた時の絶望感と、それをさせたのは自分と気付いた時の罪悪感が増すかなぁと(酷い)。 そして仲良くなった上で、メノウは容赦なくアルバートを食い物にするというこのギャップ(酷い)。 現実の要らない箇所を探してみようと思います。……何処だろう。 >>例えば結界と現実の往復 クローがキレます(笑) 他人の結界の行き来が、自分の意思で出来るのは彼だけなんですよねぇ。それにクローが来てしまっては、現実でやる事
あ、そうそう猫様質問です。 キャラクターに関して、宜しければお聞きしたいです。クローとアルバートの印象。それとメノウ。彼は今までと比べて大分毒気を抜きましたが、以下がでしょう? それと、これが一番気になる事なんですが、クローと“ジジイ”の関係をどう受け取られましたか? ジジイの正体は解るでしょうが、関係は書かなかったので。彼は登場させようとすると、大分後になってしまうので今の内にどんなイメージを抱いたか知っておきたいです。 もし宜しければお答えくださいm(_ _)m
6件
どうも一週間ぶりでございます>< いえすいません、ちょっと忙しくなりそうだったものだから時間があるうちにと思って早めにあげたんですけど、正解でしたm(__)m >>本格派にとっては 本格派って実は良く知らない……(オイ) それっぽい読書歴はアガサ・クリスティーくらい? しかも読んだの小学生の時だから何か主人公が「灰色の脳細胞」がどうのとか言ってる事くらいしか覚えてないっていうw どこやったかなーあの本……。まぁともあれ、私の感性は最近のライトノベルを中心とした大衆文学の影響を大きく受けています。ミステリで言うと米澤先生の古典部シリーズとか。三上先生のビブリアとか。アマートさん的にはやっぱり本
1件

/1ページ

6件