まにまに

まず「真実の詩」にお伽話を持ってきたことが、すごいなあ、と。考えつきもしませんでした。 しかも序盤なんて、魔女も鏡も揃いも揃って夢なんか見ているし。 ああ鏡の語りが切ないなあ……なんて思っている内に、いつしか紙芝居を真剣に見つめる子供のように、童心に帰って魔女の話にどんどん引き込まれてしまい、読み終わった後にはしばらく考えこんでしまうな余韻が残りました。 未だに混乱しているのが、鏡と魔女の恋人のことについてです。 傷心した魔女が恋人に魔法をかけた→恋人は鏡になり、魔女とずっと一緒に居ることになった と解釈し、元々とても人間くさい鏡ですし、魔女の夢の中のシルエットが鏡と同じ声をしていたり、恋人の描写が「磨かれた鏡のように純粋で素直な少年」となっていることからもそう思っていたのですが、あれ、じゃあ五百年前から「お前」と呼ばれていた鏡はどこに行ったのだろう?と。 これは、鏡と恋人が同化するような魔法で、それが溶けたときに鏡と恋人が分離した、ということなんですかね……? 最後に鏡が普通の鏡に戻ってしまったことに、びっくりして。てっきり恋人が元の姿になると同時に、鏡は消滅すると思っていたんです。これからは魔女の姿を映し出す恋人がいるから。 あとがきで納得しかけたものの、まだ怪しい感じなので、もし良ければ解説願いたいです…… それはさておき。 この詩を読んで、遠く、朧気な記憶、夢の中に、確かに「真実だったもの」が残っているんだなあ、と思いました。「真実」という、一見堅苦しそうな、絶対的にもみえるものが、儚くてあやふやな記憶や夢にも見いだせることが驚きで、素敵な発見でした。 ああ、長々と書いてしまってすみません……!! 読むのにウッとなるようなレビューを書いてしまいました。ごめんなさい。詩はとても素晴らしかったのです。 でも、素敵な物語をありがとうございました。
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まにまにさん、とても考えてレビューしてくださり、ありがとうございます(´∀`) そうですね、私個人の考えですが、多くの神話、昔話、童話、お伽話は、全部が全部単なる虚構でできているのではなくて、その中に、色々な人々の想いや願いというものにも似たメッセージなどの真実性が隠れているのではないかと思います。 私自身、作品をつくるにあたって、ただの妄想の産物だけではなくて、読む方々のこころに大切なものを送れればと思ってつくっています。妄想大好きですが(笑) 若干ネタばらししますと、私はディ◯ニー作品が大好きで、白雪姫はもちろんですが、『美女と野獣』からもかなり着想を得ています。 『美女と野獣』
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うたうものさん、面倒なレビューにも関わらず、丁寧な解説をどうもありがとうございます。 なるほど、ファンタジーが好きで方面の教養がある方なら、私のような疑問を持つこともなく自然に受け入れられたのかもしれませんね。 ようやく腑に落ちた心地がします。 『美女と野獣』は幼い頃に一度見たきりで、恥ずかしながらぶつ切りの1、2シーン程度を思い出せる限りで……。そうだったんですね。 またこれからディ○ニー作品を見るときには、うたうものさんの魔女と鏡を思い出しそうです(笑) 童話や神話のお話には、全く賛同します。 子供の頃に触れた、沢山の物語の意図をあの頃すぐに理解することは難しかったけれど、それら
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