咸技が棋士として「棋上の?空論」のみならず、身近に起こった・体験した・聞いた出来事を、持ち前の考察力や論理的な思考によって解き明かすという、いわばディベート的な味わいのある作風が特筆すべき作品です。 (ただし、読者を選びそうなお話ではありますが)  将棋の名人やチェスマスターは、過去の対局を完璧に記憶しており、その戦歴を盤上に再現したり、駒の動きから対極相手双方の心理状態を分析するのに長けていると言われます。  今作品では、咸技が「ディスカッション」という手法を効果的に用いて、蜜柑の謎を人間関係やその背景にまで考えを及ぼすという第一の事件に、棋士のファクターを垣間見たように思えました。  新しいチャレンジであり、高く評価したいと思います。
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