菅原 和奈

全編を通して美しい表現が使われていて、久々に上質の和風恋愛小説を読むことができたような気がします。 和製シンデレラとはこのような作品のことを言うのではないでしょうか。 終始胸がキュンキュンしてました。 しかし、ただの恋愛小説で終わっていないのが本作のいいところで、シンデレラガールといえど彼女なりに多くの苦悩を抱えているのがしっかりと描かれています。そしてまた、永田様がこれまた素敵なギャップ人でいらっしゃいまして……。普段は冷徹なのにヒロインにだけ見せる優しさは読んでいるだけの私ですらきゅんとしました。そんな才色兼備のイケメン永田様でも壊れやすい一面を持っている。主人公同士が互いの傷を不器用ながらも補おうとする様はとても感動的でした。 ただ一つだけ「ああ、惜しいなぁ!!」と思うところが。 ラストが少し結末を急ぎ過ぎてしまっているような気がいたしました。 なんとも切ない展開から、急に時代が進んでラストに向かってしまうのはもったいなさ過ぎると私は感じました。クライマックスからラストに向かうまでの過程を、もう少し丁寧に、再び二人が愛をはぐくんでいく様を見せていただきたかったです。 一読者に過ぎないのにも関わらず、色々なことを言ってしまって申し訳ありませんでした。 ラストに少しもどかしさを感じながらも、作品全体の雰囲気、そしてストーリーのアイデアは羨ましいほどに素晴らしいと思います。 機会があれば作者様が執筆している他の作品も閲覧させていただきたいです。
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