Satori

読ませていただきました。 とても読みやすい文章で、自然に情景や心理が頭に入ってくるので、いつの間にか物語に入り込んでしまいます。章を追うごとに先が気になって、ページをめくる手が止まらなくなっていきました。 あとがきまで読みましたが、まさにテーマ通りの作品でした。 近い未来のようでもありながら、人間や情報から隔離された世界にはどこか懐かしさを感じたりと、現代に当てはめながら読み進めやすいストーリーだったと思います。 4章の展開の仕方が大好きです。捜査→出会い、ぐいぐい引っ張られて、あのあたりから一気にのめり込みました。 ラストも、良かったです。ほんのり心が温まるシーンプラス、知ってしまったあとに同じ日常、今まであった生活の続きを果たして送れるのだろうかと考えさせられてしまう、余韻を残す台詞……。 うーん、さすがです。 入り込んで読んでいただけに、もう少しここが見たかったなと思う部分もありました。 思想警察や戦争、世界設定です。 もちろん世界観が理解できないという意味ではなく、単純な私の興味です(笑) 現代と似通った部分が多いせいかもしれませんが、人間が完全ネット依存に至るまでの背景や、思想警察のシステムだとか、恐ろしさだったり、黒川が詳しく内情を知らないままに情報を信じた理由だとか、その世界に生きる人たちならではの独特な価値観みたいなものを、読むほどにもっと知りたくなりました。 赤羽さんの長編読むのは二つ目ですが、展開にドキドキが詰まっていて面白いです。次も長編を読むと思います(笑)また寄りますね☆
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あついレビュー、ありがとうございました。 スターもたくさん、応援ももらい、高い評価をいただき、たいへんうれしいです。 本作は、あとがきでもありますように、ちょっとしたきっかけで産まれました。 実は1000文字制限の「あとがき」には書けなかったのですが、まさにご指摘のあったこと、思想警察や世界設定について、もっとつっこんだエピソードを入れるべきだったかな、と思っておりました。 正直なところ、そこはどうしようかと考えがまとまらなかったのです。 ネット依存に至る背景については、思ってもみなかった指摘でしたね。 央武と雷司の視点から世界をのぞくと、どうしても彼らが理解する範囲でしか世界を
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