読後じんわりとあたたかい気持ちになりました。 記憶を失ったことはないのですが、もし、そんなことがあるとするなら、おそらく世界はモノクロで、光も失ったように感じるのではないかと思うのです。 美央に恋することで、色や光を取り戻していったのではないでしょうか。 それは、生きる希望のように眩しいものだったに違いありません。 記憶を取り戻した時、主人公が思い出したのものは、かけがえのないものばかり。 あの時忘れていた大切なものも。 傍目から見たら不幸。 されど、主人公にとっては、不幸とは言えないものになった。 そうさせてくれたのは、友人の思いやりや、美央の想いなのでしょうね。 静かで穏やかに、流れるような物語です。 ざぶんと浸かりながら読ませていただきました。
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