絢川るな

遅ればせながらレビューを投稿させていただきます。 「嫌いになる理由」 とても興味深いテーマでした。 恋人同士や友達同士、職場やご近所の人間関係等々、身近な日常に絡めて話が進められていくので、「そうそう!」と同意したり、「なるほど…」と自分にはない感情を知ったりとドラマに夢中になるような感覚で読ませていただきました。 (嫌いになった双方の視点から見ているところもこの作品の面白いところだと思います) そして…元希くんとママの章にはっとさせられました。 「ママが嫌いって。違うよ…怒りんぼが嫌いなんだよ」 心の中を覗いてみれば、感情的になっていた時には気づかなかったものが見えてきます。 人を嫌いになるのは確かに疲れる感情です。 好きだったはずの人を嫌いになってしまったり、同じコミュニティの中にいる人を嫌いだと感じた時、そう思ってしまう自分に嫌気がさすこともあります。 でもこの作品を読んで、嫌いになってしまう自分の感情も、周りの人達のことも、もっと色々な角度から考えてみようと思うことができました。 一見一つ一つが個別の物語のようですが、登場人物が絶妙な関係で繋がっていて、そこにまた違った醍醐味がありました。 独創的で素敵な作品をありがとうございました (*^^*)

この投稿に対するコメントはありません