たすう存在

可愛らしいタイトルに騙されます 青春期の情緒不安定な女の子のお話しかと思いながら読み進めると、違和感という表現ではおさまらない不気味さが漂い始めます。 どこか歪な家族。理由の分からないあずさの怨念。 ひとつひとつの言葉選びが、不気味でいやらしく、なんというかどす黒い空間を作り上げていますね。 猫の登場で、転がり落ちるように進行した物語の結末は、とても意外でした。 なぜ、あずさは幾度も猫を殺し、異常なまでの激しさで手を洗い、そして親を呪うのか。 なぜ、猫が自分を害するはずのあずさに懐いていくのか。 作中ではハッキリとは語られていませんが、これは無限に繰り返される光景なのだろうと感じました。 ゾンビの母親が山盛りのご飯とハンバーグを延々と作り、ゾンビの夫と娘がそれを食べるという光景は、とてもシュールですが、それだけに読む者に頭がおかしくなりそうな恐怖を打ち込むような作品だと思いました。 テーブルの上で顎がパクパクと踊るという、結末の映像もインパクトがありました。 不快で怖くて面白かったです。 ありがとうございました。
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たーたーレビューありがとうこざいます!めちゃくちゃ自信なかったから、余計に嬉しいです!レビューの文章も鬼痺れました!凄い文章力!ありがとうございました!

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