たすう存在

バイオパニックというのは(おそらく)僕の造語ですが、元はといえば荒木さんが出したウイルスパニックの概念をウイルスに限定せずに、微生物全般へと広げただけのものです。 そしてこのバイオパニック作品。 冒頭のどこかのんびりとした光景は、のんびりとしているからこそ、恐ろしい。 皆で食い散らかした主人の心臓だけが残っていたり、混乱し、ゾンビ的本能と理性がせめぎ合っている意識で、なぜか推理劇を演じようとしていたり、と、すでにまともでなくなった人々のグロテスクな“普通”が、カジュアルに描かれている光景が何よりゾッとします。 視点が変わって後半。 ゾンビの処分にあたるのは、ゾンビと化した屋敷住人達の友人。 これまた葛藤や苦悩を抱えながらも、課せられた任務に関しては揺らぐことはありません。 友人としての意識の残るゾンビを駆逐し、上層部の指示のもと資料を回収します。 育ての親の平本に対しても、葉月、ミサは観察対象としか認識していないように見えます。 バイオパニックの形をとっていますが、本作には 「置かれた環境によって、人間の(ゾンビもですが)行動はどこまで影響されるのか」 という、もう少し深いテーマ(風刺)があったように感じました。 いつも暖かさが根底にある作品を書いている荒木さんの作品だけに、本作に見られる冷酷さにはドキリとさせられました。 上質のバイオパニックホラーをありがとうございました。
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レビューありがとうございます。 課題点ばかりの作品ですがリテイクするつもりでいます。 今回はブーメランで焦りました。なので自分がおもうこよ+骨格をさがして書いたのです。本当は誰かに書いてもらってこんな作品かー。みたいなのを狙っていたのですが、テロされました。 推理は諦められなかったんだと思います。リテイクします。 とりあえず出来上がってよかったです。たまには良いのかなという感じです。 お時間割いていただけて嬉しいです。 ありがとうございました。

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