たすう存在

構成の鬼(と、僕が勝手に呼んでいる)パクチー食えないさんの、幻想文学――かなり期待して読ませていただきました。 純文の詳細カテが少し寂しいので思いつくままに幻想文学とかを設定したのは僕ですが、そもそもその僕があんまり幻想文学というものを知らないような気がしていました。 ジャンル解説ブックには江戸川乱歩、夢野久作、、安部公房、村上春樹などの名前をあげましたが、そもそも純文学というもの自体がほぼ必ず幻想性をはらんでいるような気もしたり。 ただしこの純文学というのがクセモノで、個人的な見解(偏見ともいう)では、純文学というものはプロットを拒否した形式の物が多いように思います。 そしてさらなる偏見を述べさせていただきますと、短編および掌編の小説というものは、構成を無視して面白いものが出来るはずがないと考えています。 構成を考えずに書かれた短、掌編はやたらとポエミックなだけであったり、切り取られた1シーンだけのようで物語として成り立っていなかったり、何かの予告編のようであったりと、作者の自己満足に終始している感があります。 本作の縛りは、構成の鬼、短編の名手と(僕に)評価されているパクチー食えないさんに、構成を放棄しろと迫る鬼畜なものと思います。 これは本当に思い付くままに書けというのではなく、まるで構成を練ってないかのように見せかけて、それでも面白さの残る繊細かつ高度な構成が要求されているのです。 それが成功しているかどうかは、本作を一読すればすぐに分かります。 とにかく、なぜか、面白い。 登場人物に華もなく、不思議さも地味です。そして伏線も意外性もありません。なのに面白い。 雰囲気もいいですし、新豆豆腐というのも美味しそう。そして可愛げのない猫がまた可愛い。素晴らしい点はもちろん多く、それも面白さに繋がってはいるのですが、やはり本作の魅力の芯にあるのは、構成の妙であるような気がしました。 これからも幻想豆腐作家としてのパクチー食えないさんの活躍に期待しています。 すばらしい作品をありがとうございました。
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貴様が幻想文学の犯人かギリィ…! パクチー食えないめにもったいないレビューをありがとうございます。 これはアレかな?レビューで追い詰める系のイベントだったかな? パクチー食えないが苦労した点をいとも簡単に読み取られたのがすごく恥ずかしいです。この変態!と叫びたい気持ちもありますが、全てはパクチー食えないの力不足が招いたことでもありますので、歯を噛みしめてこの羞恥に耐えようと思います。 愛あるレビューをありがとうございました(´∀`)

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