僭越ながらレビューさせて頂きます。 今回は関連作品に出てくる坂巻のお話ですね。 文句なしに、楽しめました。数日に分けて読もうとしましたが、気が付いたら全て読み終えていました。 坂巻のカッコよさが存分に伝わります。優しく誠実で、行動力があり、全てを包み込む包容力……女性じゃ無くても、その魅力は伝わります。優月が坂巻を好きだと言う理由も分かりますね。 前半の部分では、佐倉の気持ちが痛いほど分かります。 焦ります。バックアップ以前に、まだ何もしてないよ、という段階でデータが飛ぶことはあります。佐倉のように頭が真っ白になります。 そこでヒーローの出番。坂巻は少年漫画で遅れてくるヒーローを彷彿させます。 坂巻がヒーローで、悪の組織(プログラム)と戦い、ヒロインの佐倉を救い出すかのように読み進めていました。 もう、佐倉と同じく、坂巻から目が離せません。 そして見事に修復完了。それも、本来なら考えられないやり方。ふるえが来ました。 そこには後半で明かされる、新井の存在も大きかったのですが…… 前半だけで、興奮しっぱなしです。 そして少し甘酸っぱい、恋愛に奥手な、大人の恋愛模様が楽しめる後半。 少しだけ出した勇気、二年前の真実、佐倉の心情。二人の駆け引きがとても面白く伝わってきます。 頑張れ、佐倉! そう何度も思いながら読み進めると、佐倉の勇気を出した行動は、真実と共に二人の大きな発展へと繋がりました。 言葉一つ一つにドキドキです。 あの雨は、神様が降らした優しさなのかも…… また涙の表現が秀逸です。心を揺さぶられた時……そうなんです。人は現実を受け入れないと、中々涙を出すことはありません。心に響き、それが涙となって溢れ出てくる。 素晴らしい描写でした。 さらに、前作からのサービスも忘れていませんね。社内報に載っている海の写真は、優月や神長と出会った、あの日にスマホで撮った写真ですね。記憶を引き出すカギとなる写真。写りは良くなかったかもしれないですが、自然のままの、見る人を心地よくさせる写真なのでしょう。見たいです。 物語は終わり、最後に優月と神長が登場し、物語の続きを想像させます。 絶対に続きが出たら読みます! ドラマになって欲しいです! 自分の気持ちに気付いた坂巻が、どういった行動に出るかも楽しみですからね。 レビューだけでは語りつくせない、最高に面白い作品です!
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