スズぴー

小説を中心に活字離れが進む現代人にとっても読みやすい文章だと思います。 最近、1ページの中に隙間無くびっしりと書かれている作品を多く見かけますが、パラリと書かれたページ内の文章バランスが私はとても好きでした。 挿絵画像が多く使われており、上記のような現代人や小説初心者にも優しい作品です。 また、1ページに内容を凝縮しすぎていないので、読んでいても飽きない読み易さがありました。 1話完結という短編でもあり、長々と物語を展開させない点は現代人向けであると思います。 歴史上でも有名な新撰組にスポットを当てているということで、歴史モノとしては王道中の王道と言えます。 しかし王道を行く者には王道故の難しさというものがあります。 それが歴史モノである場合、ただ忠実に歴史の中身を再現するだけでは読み手にとって新鮮な世界観、インパクトを与えることは出来ません。 人間間のドラマや多少のオリジナリティが要求される点でもあるわけですが、土方歳三の行動や生き様の中にそれが描かれておりました。 周囲から鬼の副長と恐れられる土方ですが、それでいてどこか影を感じさせる土方に不思議な魅力を感じました。 私も1人のクリエイターとして、人物像や物語の展開のさせ方を勉強させて頂いた作品でもありました。 今後の展開にも期待したいと思います。
2件

この投稿に対するコメントはありません