新垣蛍

読み終わった時に感じたのは、ちょっとした安堵でした。 もうすぐ隕石が落ちて来て、自分たちは死んでしまう。 そんな時に、こんなにも冷静でいられるのだろうか。 初めの数ページを読みながら、私は違和感に首を傾げました。 そして、その違和感は正しかったのです。 冷静でいられるわけがないのです。 どうしようもなく、自分が死んでしまうのに、落ち着いていられるはずがないのです。 それは、この夫婦も同じでした。 この物語の最後が救いなのか、それは誰にもわかりません。 けれど、そこには光があります。 たとえ歪んでいたとしても、一筋の輝く光が。 悲しいのに、すとんと心に落ちてくる、読後感のよい作品でした。
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レビューありがとうございます。 明日地球が滅ぶなら、というテーマで話を考えて書きました。精神崩壊した妻と、それを支える夫を描写できていたら嬉しいです。外の風景は読者に絶望感を生むように地獄をイメージして書きました。 私は救いのない話を読んだ後の読後感が嫌いなので、読者にそれを感じさせないように書きましたが、新垣さんの感想を見て安心しました。よかったです。 どこかもやっとしたところなどあったら、ぜひ教えてください。お願いします。
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最初に読んだ時は感じなかったのですが、コメントをいただいた後で読み返すと、外の描写がしとっぴさんの意図とずれているかもしれないと思いました。 しとっぴさんの中での「地獄」というのはどういうイメージなのでしょうか。 作品の描写の通りでしたら真っ赤な空をした物々しい轟音が響き渡る世界、という感じでしょうか。 もしこの世界が地獄だとしたら、あまりにも静謐で美しすぎる地獄だと思います。 赤い空といってもそれは隕石であって業火ではなく、轟音が響くといっても普通の声量で声が届く。 私の印象では、この世界は静かで美しい世界の終わりでした。 なので、地獄と言われるとちょっとだけ違和感があります。 ただ、
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