西 東

人とアンドロイドの物語りですが、人と人の物語りだなと読み終えて感じています。 『ケイ』を造り上げた技術者の中にも、人の理想的なパートナーに成り得る存在だと認識した方も多く居たのだろうし、それ故に出回ったのだからと。 それだけに時間の経過と共に、取り巻く環境の変化は人間の身勝手な残酷さを浮かび上がらせます。 老いる事のない見た目に反し内面は人らしく豊かな『ケイ』と、人と同じ存在としてパートナーで在り続ける『レン』の会話には寂しさを感じますが、それだけケイは理想的な存在で居たのでしょうね。 彼の願いを半分は叶えながら、後の半分は叶えず自分の思う様にしたレンに情の深さを感じます。 記憶を記録にしてしまうのは、レンが人ではないと認めてしまう行為なのだろうと考えてしまうからです。 けれど、この決着の着けかたは人同士では出来なかったと思うので、やはり人とアンドロイドの物語りでもあるのでしょうね。
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>西 東 さん お読みいただき、ありがとうございます。 仰るように、人同士での『夫婦』という言葉と、それ以外との間で『夫婦』という言葉を表す時に、持つ意味は一緒なのかな? と。そういった部分を意識しながら、書き上げた面はあります。 他には、ある二足歩行ロボの研究者の方が、『人型アンドロイドって、メンテに劣化に更新と、人の比じゃないほど手間がかかりますよ(意訳)』という発言を過去にしていたのも、作中に盛りこんでいたりします。 そうした面を読み取っていただいたかのようで、嬉しく想います。 ありがとうございました。
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