あーる

命の期限を告げられた主人公と、それを伝え魂を迎えに来た死神。 ふたりの束の間の交わりから生まれる優しい想いに、じんわりと心があたたかくなりました。 死を目の前にしても、大きな欲もしがらみもない諒介。やり残したことなど思いつかないという、そんな諒介のささやかな願い(想い)を、そっと叶える死神。 ぶっきらぼうな言葉使いや態度の裏に思いやる気持ちが透けてみえてしまう。 死を見届け続ける死神としては、少しばかり優しすぎますよね。 そんな死神に懐く諒介。 一緒に過ごした短い時間に、死神の表立つことのない優しさと温もりに触れ、そんな死神のことをもっと知りたい、一緒にいたいと思ったんだろうな、と感じました。 もしかしたらこれが唯一「やり残したこと」…になったのかもなんて独りごちてみたり。 ぶっきらぼうで意地のわるい言葉を吐きながらも優しく微笑む。それにまっすぐ素直な笑顔で応える。 そんなふたりの姿が目に浮かぶようなラストシーン。 お似合いなふたりの姿に私も笑みがこぼれていました。 『死』が絡んだお話なのに、絶望や悲愴さを感じさせない。 周りの登場人物皆からも愛情が溢れ、ひたすらあったかくて、優しく幸せな気持ちになれるお話でした。
3件・1件
あーるさん! 「僕だけの死神様」にも素敵なレビュー本当に感謝です! 父もいなく、叔父さんの下で母と世話になりながら静かに暮らす。そんな環境だったから諒介は遠慮が身についてしまっていて、だからこそ欲を持つことがなかったんだよね。中学って多感な時期に母までも無くす。甘えもなかっただろうから、静かに現実を受け入れ、身の丈に合った幸せを見つけささやかに暮らす日々。 そんな諒介だから、突きつけられた衝撃も、そうなんですか。としか言いようもなく、目の前に現れた不思議な人がちょっと気になる。自分のために寄り添っていてくれる親切な人。諒介の注目は死神さんにむかちゃったんだろうね。 対面で接してくれる。そんな
1件

/1ページ

1件