雛姫

幼い頃に見た、蜻蛉の姿。 姉を追いかけるようについて行く姿は、兄弟のいる方なら誰しも重ねる姿でしょう。 走り、迷い、見渡したその場所は、本当は何処だったのでしょうか。 姉の愛情が起こした奇跡のようでもあるし、晃の中にある恐怖や願いが作り上げた虚像かも知れない。 彼の中にある大きな後悔は、悲しみ以上の苦しさとなって日々のしかかっていたんでしょう。それをもしも姉が見ていたのなら……。 それを想像すると、彼女が告げた『想い』に偽りは無いと思うのです。 ボロボロになった薄羽蜻蛉はもしかしたら依り代になってくれたのかも知れませんね。 素敵な作品を有難う御座います。
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雛姫様、『薄羽蜉蝣』を読んでくださって、しかも素敵なレビューまで、ありがとうございますっ! 大切な人を失うのって、やっぱり誰にとっても辛くて悲しいことですよね。 でもそのことばかりに囚われて、生きて周りに傍にいてくれる人のことが見えなくなるのはもっと悲しいことなんじゃないかと思うんです。 きっと、いなくなった人だってそれは望んでないと思うんですよ。わかんないけど。 だから、弟には辛いものかもしれないけれど、姉の『想い』には、雛姫様の仰るように偽りはなかったと思います。 忘れられてしまう切なさよりも、前を向いて生きていってほしい……そんな気持ちを込めていたんじゃないかなって。 蜉蝣が依り
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お返事を下さって有難う御座います。 大切な人を失う。 それはどんな出来事よりも辛く悲しい事である気がします。 そしてそれを失った原因が自分であるとするならば、容易には想像出来ない苦しさが彼を蝕んでいたんだろなと。 彼がこの日姉の魂と出会わずに、命を失う怖さから踏みとどまって生きれたとしても、恋人と幸せになり結婚し……という未来が全く見えないのですよね。 きっとそういう幸せの向こうに「生きていた姉が得ていたもの」を見てしまい、やはりその道を辿らない気がするのです。 ですから彼が救われる展開で私は嬉しかった。 薄羽蜻蛉の最後。 土の上で弱々しく散る、その死骸の無残さ。 そこに儚い美しさ
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