二瀬幸三郎

二瀬幸三郎です。 拝読させていただきました。 ライトノベルの中には、科学の発展した社会に、[魔法]が図々しく入り込み、科学を上から見下ろしやがる作品が少なからず見られますが、この作品は、それらとは一線を画した、一見、有りそうで無かったアイデア…… そう、このタイトル〈非魔術的〉に表わされたように、魔法と科学が完全に逆転した世界…… ここまでやってくれれば、寧ろ納得、安心して受け入れられるというものです…… と、兄が申しておりましたw 似たようなコンセプトは、少なくとも、自分は〈ドラえもん〉の長編映画でしか見たことはありません。 その上で、巨大ロボット…… しかも、単純に科学を魔法に置き換えるのではなく、様々な魔術用語のアレンジ、詳細な設定による世界観の徹底など、ファンタジーとSFの理想的な融合を果たしていると感じられます。 物語も、王道の展開(主役ゴーレムの奪取)から始まり、その後、土御門晴美と、アテナをはじめとした〈母なるガイア騎士団〉との出逢い、後に〈プロヴィデンス〉と名付けられる〈XLPG‐1〉の動力再生、そして奇妙な共同生活…… その生活の中でも、この世界観が自然且つ、丁寧に描写されております。 無論、世界観だけではなく、晴美とアテナの何処かズレた掛け合い、蘆屋満梨子やニコラ・ジェファーソン等、多彩な登場人物により、物語が時にコミカルに、時にシリアスに進められており、読み応えがありました。 また、本篇とは別になりますが、詳細な設定資料などもあり、この者借りを支えております。 個人的に惜しむべき点は、この世界の巨大ロボットである〈ゴーレム〉のスペックが不明であることでしょうか…… 詳しい詳細は兎も角、身長くらいは知りたいかも(単位はこの世界観に合わせてキュビットでw)。 そして、こちらも本篇から離れますが、その後のプロットも、詳細に決められており、寧ろ、こちらも本篇同様に小説として読んでみたかった内容でした。 90~00年代を彷彿とさせ、その上で独自のアイデアを盛り込んだSFロボットファンタジー…… 楽しく拝読させていただきました♪
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まずはお読みいただき、長文の素晴らしいレビューまでいただいて、まことにありがとうございますm(_ _)m やはり、レビューの文章のなんと妙手なことか! 感動です! そして、この作品のコンセプトをお気に召していただき、大変うれしく存じあげます。 私も少し異なりますが、人類史を振り返るに「魔術と科学は対立するもの」という固定観念に違和感を覚えておりました。むしろ、実際に対立していたのは宗教権力の方というか…。 また、以前、とある文芸賞で「ただ科学の名称を魔術に置き換えただけ」という、「だから、そういう平行世界だと最初に断ってんじゃん!」とツッコミたくなるトンチン
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拙いレビューを褒めていただき、恐縮です(汗 「ただ科学の名称を魔術に置き換えただけ」 確かに、トンチンカンな書評です。 ここ近年、魔法と超能力と異能力(一部、疑似科学)の区別が曖昧に[魔法]と括られるような物語が多い中、氏のコンセプトは寧ろしっかりしていると感じられるのに…… 自分が書く物語は、魔法という言葉を安易に使わないよう、区別した用語をでっち上げましたが、これもある種の[逃げ]かも知れません。 魔術と科学の対立、これも、存外、近年生まれた概念の様な気がします。トンデモな方向になりますが、魔術結社〈ヴリル協会〉なんかも、ドイツでUFO開発に携わっていたとかいないとか…… 宗教とは、確
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