けい

モラトリアムの時期は短く儚いはずなのに、そこから抜け出せなかったのは彼女の方…? 由貴哉には守るべきものがあって、それを守るためには黒くなろうが、ドロドロになろうが関係なかった…のでしょうか。 彼女にとっては大きなものであったものが、由貴哉にとってはほんのちっぽけなものにすぎなかった。ずっと長い間、気づきもしなかった。それは勝負に勝ったと勘違いしたせい? 最後の砦であったはずのものが、扉を開けることすらせずに崩壊していく。独りよがりが引っくり返る。彼女の震えが伝わるようでした。
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けいさん~、この過去作品に、素敵なレビューをありがとうございました! そう、このモラトリアムと言う言葉から、物語が生まれました。 いろんな意味にとれるけれど、ここでは「猶予期間」の意味で使ってみました。 彼女の少し思い上がった「泳がせてあげてるのよ、有難く思いなさい」っていう感覚のどす黒さ。 法的に見たら、由貴哉の方がよっぽど悪い事をしているはずなんだけど、けいさんの書いてくださったように、守るべき大切なもののために、自ら黒く染まった由貴哉です。 この「私」の黒さとは、また違う黒を描き出せたらいいな……と。 それでも、その高慢ちきの感情がへし折られて逆転する時、また違った意味の震えがあれ
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