青木ぬかり

 犯罪死を見逃さないための緻密な検視……。  現実の刑事、それも警察署の刑事課に所属する刑事にとっては「通常業務」ですよね。  それが漏れなく、そしてリアルに描かれています。  そして行う者にとっての日常は、相手にとっての非日常……。  いかにしてこころを込めるかに適性が問われるのが検視という業務です。  きれいなご遺体ばかりではない……。  代行検視の仕組みも、いずれ見直さなければならないのではないかと思います。  人情を描きつつ、社会問題にも思いを馳せる、そんな濃密な作品です。  著者さまの高い倫理観とやさしさが偲ばれます。    青木ぬかり
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