このお話を読みながら、「あ、MV(ミュージックビデオ)みたいだなー」と思いました。 小説の読み方というのは人それぞれだと思うのですが、基本的に私が好きな傾向のひとつに「映像が見える」というのがあり、この作品の一番の魅力は私にとってそれでした。 4ページめまで、無音で。 モノクロやセピアの中に作中、色で表現されたものだけはその色が浮かび上がる。 そんなカンジでした。 だから映像の動きはあるんですけど、静なんですよね。 それが5ページ。 雷鳴がいわばきっかけになってフルカラーでBGMもはっきり聴こえてきて。 この短い文字数の中、本当に掌編という形で、ハッと驚くしかけとかは特別にないんですけど(すみません、私の読解不足だったら…)、読者をグググッと引き寄せる内容。 本文には、主人公が店を出た時のお話は描かれていませんが、夕焼けの茜色か、虹が架かってるか、そんな素敵な情景があるにちがいないと思いました。 とっても素敵な作品でした。
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二条 光さま、『雨の日サァビス』に素敵なレビューをありがとうございます! 私自身、昔からストーリー性のあるMVを見るのが好きでした。映像の美しさや曲との調和もさることながら、短い中に起承転結がしっかりしていて、時々意外なオチに驚嘆させられる作品もあります。短編や掌編を書く時はいつもMVをイメージしていました。 なので「映像が見える」と言っていただけたのは、最上の書き手冥利です。しかもあんなに色彩豊かに可視化してくださって、お読みいただいた二条さんの着眼点にこそ舌を巻きます。 おっしゃるように、ハッと驚くしかけはありません。ホントそうなんです、出来事や情景を淡々と書いてますから(;^ω^)

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