織田崇滉

アラフォー中年女性の孤独な社会生活を描いた日常系ヒューマンドラマ。 結婚もせず、かと言って定職に就くわけでもなく派遣社員で糊口をしのぐ「枯れた女性」(あえてこういう言い方になりますが)の孤軍奮闘っぷりをありのまま描いた筆致には、生々しさがたっぷりです。 遅れて来た色恋沙汰は今いちうまく行かず、仕事に生きるとしても本人の意気込みが空回りするばかりで待遇は改善されず……ある意味で現代社会の暗部を描いていますね。 いや、これは決して暗部ではなく、見渡せばすぐ隣に、周りに転がっている「身近にある平均的な生活像」と言えるかも知れません。 結婚が必ずしも幸せとは限らないし、仕事に生きるのも疲れるだけ。趣味に励むのも虚しい……そんな人種にスポットを当てた日常モノとも言えますね。 かと言って終始そんな暗い調子ばかりではなく、クスッと笑えるブラックジョークな一面も覗かせるのが本作の憎いところ。 たった400円を守るために体を張って痛い目にあう男性の愚痴など、喜劇的な展開で含めて緩急をつけている点がうまいなと感じました。
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殿、いつもご拝読&レビューありがとうございます♪ 11月までドロコン(ドロドロ恋愛コンテスト)に手一杯で、中々読みに回れないのですが、殿のガラッパなどもちゃんと読了したいものです。 寒暖の差が激しい季節、どうぞお身体をご自愛くださいませ☆彡
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