天川夏織

たったひとつのシーンを描いた短い作品なのに、深い味わいと暖かさを感じることが出来るストーリーですね。 手の冷たさも手の温もりも、その場にいるかのように伝わってくる表現力。無駄な描写はほとんどないのがではないかと思われます。 特に感心したのは、「彼」とか「あなた」という呼び名をまったく使わずに、相手と一緒にいることを描いている点です。 どこかでその言葉を使うことで、女の子と彼の間に距離が出来てしまう。おそらくそんなことを考えたわけではなくて、無意識にとられた手法だとは思いますが、そのせいでふたりの間のより強い絆を感じることが出来ます。 文体も決して難しいわけではなく、読み手はちゃんと主人公たちとともにストーリーを共有できます。 覗いた世界というテーマ設定もイラストとぴったりで、綺麗に仕上げられた話だと思います。
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 短い作品にも関わらずしっかりとしたレビューありがとうございます(n*´ω`*n)  確かにこの作品にかぎっては彼とかあなたとか使ってませんね。特に意識した訳ではないしシリーズ他作品では普通に使ってるんですけど。細かいところまで繊細に見て戴けたこと、すごく嬉しいです(^▽^)/  『覗いた世界。』シリーズ他作品も、良かったら目を通して戴けると嬉しいです。

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