島倉大大主

ううむ、これは感想が難しい。 素晴らしいと思うのですが、 ラストまでの助走が長すぎるようにも感じられました。 ちりばめられた伏線が、お手軽な感じで収束していくのではなく 最後の一瞬に向かって、ぎりぎりと絞めつけるように 段々と回転を狭めてくる圧迫感が凄かった。 もしかすると、私がこの圧迫感に耐えられなかったのかも しれない。 以下、思ったことをつらつらと ・ミツヒコというカタカナ表記が、怖い。人ではない感が凄い ・3年という具体的な数字の所為か、東日本大震災という日時が完全に 固定している災害が物語と上手く連動していないような気がする。 ・最後にナイフは出してほしくなかった。ナイフの前フリが欲しかった。 ・とはいえ、あの場面で、男の後ろ姿とこれほど似合う凶器も他に思い当たらない。 ・読者に投げつけるラストは大変好み。更地に倒れている誰か。そしてその人生って だけで飯が三杯は食えるくらい最高の絵面。うーん、ラスト良いなあ。 以上、拙いながらもレビューでした。 では失礼いたします。

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