不倶戴天

宣伝から来ました。 半分ほど読んでみて思ったのは、とにかく説明しすぎ。つまり、描写のしすぎ。そのため、テンポが非常に悪いです。 内容が面白いだけに、非常にもったいないと思いました。 例えば、冒頭。窓から差し込む朝日とけたたましい目覚まし時計の音が、男を起こすシーン。 そこだけで、男の夢の国、男の夢の世界、夢の世界と、夢の中にいたことが三回も出てきて、目覚まし時計がそれを犯して、さらに侵食する。その前に睡眠は朝日によってしっかり妨害されており、表情の変化は二度もあります。男が起きるだけのことなので、そんなに強調したいことでもないでしょうから、ここはさらっといきたいものです。 更には次のページもそう。 けたたましく騒ぐ目覚まし時計をつかんで、遠くに投げつけた挙句に、『目覚まし時計が壁に当たって、ガシャンと言う嫌な音を立てて鳴り止む目覚まし時計』とまで書かれています。 こんな感じで、万事が万事、繰り返しと説明過多で少しイライラしました。 『彼は自虐的な笑みを浮かべ、ロボットにはっきりとした口調で答える。敢えてはっきり話したのは、ロボットにしっかりとこちらの音声を認識させるためである。』も、ロボットとはっきり話したが重複しているので、『彼は自虐的な笑みを浮かべ、ロボットにはっきりとした口調で答える。敢えてそうしたのは、しっかりとこちらの音声を認識させるためである。』の方が読みやすい。 更に言えば、その前にロボットと会話している描写があるので、『彼は自虐的な笑みを浮かべ、はっきりとした口調で答える。敢えてそうしたのは、しっかりとこちらの音声を認識させるためである。』の方が読みやすい。 文章というものは出来る限り繰り返しを避けるようにすると読みやすく、テンポもよくなり、結果内容が心にしっかり入ります。 作者は学生ということなので、わかりやすく言うと、これまでの国語のテストでもあったでしょう? この「それ」は何を指しているか、等の問題は。指示語などを効果的に使い、繰り返しを避ける。強調したいところ、じっくり読ませたいところ、サクサク進ませたいところのメリハリをつけ、サクサク進ませたいところでは文章をとにかく軽量化し、読者の心にすんなり入るようにする。 この作品、それを念頭に修正すれば、量が半分になると思いますよ。 内容は面白いです。面白いだけにもったいないです。

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